■東から奥羽山脈、出羽丘陵、越後山地と南北に連なる3列の山地列がある。標高は越後山地で1000〜2000mを示す他はほとんどが1500m以下であり、山脈上に点在する第四紀火山では周辺よりも高くなっている。
■奥羽山脈と出羽丘陵の間には米沢、山形、尾花沢、新庄盆地などが連なり,かつて湖沼であったと考えられている。盆地周辺には扇状地が数多く発達している。
■標高0〜20m程度の海岸平野で、かつては海水の入る潟湖であったものが埋め立てられた低湿な平野である。海岸部には南北に標高30m程度の庄内砂丘が発達している。
■中軸部は花崗岩類や新第三紀中新世前期〜中期の地層からなるが、盆地の周辺地域には中新世〜鮮新世の新しい地層が分布している。
■部分的に花崗岩類や中新世前期の地層が点在する他は、中新世後期〜鮮新世の砂岩、泥岩、酸性凝灰岩類から構成され、所によっては第四紀更新世の固結度の低い堆積岩が分布している。
■火山の周辺では、安山岩質の溶岩や転石を混じる火山砕屑物(泥流堆積物)などが厚く分布している。
また、肘折、向町地域では特徴的な「シラス」と呼ばれる酸性火砕流堆積物が広く分布している。
■第四紀更新世の湖沼時代の地層や段丘堆積物、これを覆う粘土、砂、礫、腐植土からなる完新世の沖積層が分布し、所々で厚い軟弱地盤を形成している。また,庄内平野の海岸部には粒径のそろった砂からなる砂丘堆積物が分布している。
■泥岩やベントナイト化した凝灰岩の分布する出羽丘陵や新庄・尾花沢盆地周辺、小国盆地周辺では、自然災害や建設工事に伴う大小多数の地すべりが発生している。最上地方では亜炭層を挟む砂岩でも発生が多い。第四紀の火山周辺では泥流堆積物の分布地域にも多発している。
■また、角川・銅山川流域のシラス分布地域でも多く発生し、法面の崩壊も発生しやすい地質である。
■山形盆地の北西部から村山市にかけての地域、米沢盆地北東縁部の白竜湖周辺,及び庄内平野の北西縁部から酒田市にかけては泥炭を主とした軟弱地盤が発達している。盛土による沈下や掘削時の変形が問題となり各種の対策工事が実施されている。
■庄内平野では酒田市中心部や平野の縁辺部、砂丘の縁辺部と砂丘間低地、最上川旧河道沿いなどの緩い砂質土が分布し地下水位が高い地域で発生しており、同一地点で繰返し発生している箇所が多い。
■詳しくは「日本の液状化履歴図(東海大学出版)」や「自然災害を知る・防ぐ(古今書院)」などを参考にされたい。
■山形市北西部の水田地帯や米沢市街地では,観測開始からそれぞれ約40p,約18p程度の沈下を確認しており、近年でもわずかながら沈下が継続している。