東北地質調査業協会

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地質調査Q&A

軟弱地盤上に盛土する場合の問題点は?

(1)軟弱地盤上の盛土施工に関する問題点

  • 安定および周辺地盤の変形問題
    地盤の支持力不足により、盛土のすべり破壊や側方流動が生じ、周辺地盤及び既設構造物に影響を及ぼす。
  • 沈下問題
    過大な沈下や長期にわたる圧密沈下により盛土の変形・破壊・構造物取り付部での不同沈下および既設構造物への引き込み沈下等の影響を及ぼす。

(2)盛土の安定問題の傾向

  • 10m以浅の軟弱層で問題となることが多い。
  • 問題のほとんどが建設段階に発生し、長期的に安定が問題になることは少ない。
  • 地盤の側方変位は、泥灰地盤で大きく、粘性土地盤で小さい。層厚でみると10m程度以浅で大きく、10m以深で小さい。
  • 軟弱層下の基盤が傾斜していると、軟弱層の厚い側の沈下が大きくなり、すべりがその方向に生じる危険が大きい。破壊事例が特に多いため慎重な検討を必要とする。

(3)押え盛土工法の問題点

  • 盛土本体の外に必要な押え盛土が施行できる用地の確保が必要となる。
  • 地盤表層部が極軟弱な場合は、押え盛土自体がすべり破壊を起こす可能性がある。
  • 押え盛土の施工は本体盛土に遅れないようにし、必ず外側から施行する。

(4)盛土の管理段階における問題点

  • 盛土の不同沈下による路面の波打ち。
  • 周辺地盤の沈下による周辺施設の変状および水路などの横断構造物の沈下による排水不良や交差道路の建築限界の不足が問題となる。
  • 周辺が水田の場合は、水田の湛水および排水障害による稲の生育不良が問題となる。
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