国土防災技術(株) 山田 泰弘
13.地質調査技士に合格して
泉 秀樹 松島 剛範 伊藤 隆雄 山田 泰弘 |
地すべりの調査や設計をメインに仕事をしています。仕事柄、地表踏査やコアの判定、すべり面の観察など、比較的偏った内容のものが多く、構造物の基礎調査や土質および岩盤性状を調べることを目的とした、より一般的な「地質調査」業務は非常に少ないのが現状でした。 ところが、今年になってから、純地質調査業務、例えば道路法面の土性の調査や、橋脚の基礎調査、トンネルの調査などにも携わり、地質の性状そのものを判定する仕事に従事させてもらいました。特に、一連の土質試験や、通常の地すべり調査とはほとんど無縁といっていいような原位置での試験も含まれており、非常に勉強になりました。 実は、私はこの試験に2 回ほど挑戦し、失敗しています。今回は3 度目の正直でした。この寄稿依頼には「試験への挑戦方法」とありましたが、私の場合あまり後進の方々の参考になるかどうか分かりません。試験勉強といえばボーリングポケットブックを読んだり、過去問題を解いたり、そんなものです。どこにでも書いてあるような方法しかやっていません。ではなにが今回違ったかと言えば、上に書いたような業務に従事させてもらうことで、実際に自分の頭で考え、見て、また悩んで、を繰り返した結果だと思っています。 「百聞は一見に如かず」です。業務を通じての体験がやはり最も効果的な勉強でした。本や教科書はあくまで「百聞」です。地質調査技士の試験内容は、普段の業務を通じて悩むことで、自然と身につく内容のものがほとんどです。また、新しい仕事をやり、さまざまなデータを突き合せて悩むことは非常に楽しい、ワクワクする作業(相当悩ましいものもありますが…)だと思います。試験勉強で得たものは試験が終わると忘れてしまうことが多いと思いますが、業務を通じて身についたものは自分の宝になります。自ら進んで新しい知見を得て、自分を成長させていくような仕事が出来たら、最高だと思います。これからの皆さんもそうした気持ちで自分のために頑張ってください。 |
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