協会誌「大地」No48

地質調査技士に合格して

東邦技術(株)長谷川 真優美

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私が大学で専攻していたのは文学部の社会学科でした。地質に関しては全くの素人といってもいい私が、縁があってこの会社に入社し、地質調査技士を目指すことになるとは今でも信じられないくらいです。これから受験する方の参考になるかはわかりませんが、こんな私でも合格することができたという受験体験記を恥ずかしながら書かせていただきます。

実は、私が受験したのは今回で3度目です。1度めは、今まで現場管理部門で受けた人が会社にいなかったこともあり、どんな試験なのか経験するつもりで受験しました。○十年も受験勉強から遠ざかっていたこともあり、勉強の仕方がよくわからず、また、絶対合格するという強い気持ちもなかったためか、やはり不合格でした。2度目も失敗し、今年は“三度目の正直”になるか、それとも“二度あることは三度ある”になるのか、かなりのプレッシャーの中での受験でした。その分、今年こそはという強い気持ちが起こり、勉強の仕方も今までと違ってきました。

以前はボーリングポケットブックを読むだけでしたが、あまりにもページが多く、全部に目を通せませんでした。今年は、事前講習会でいただいたテキスト(よくまとまっていてとても参考になる)をよく読み、内容を十分理解することに努めました。わからないところは、ボーリングポケットブックや他の参考文献を見たり、職場の同僚や上司に聞いてノートにまとめ、理解するようにしました。ただ読むだけでなく、書くことで自然に頭の中に入ってくることができたと思います。

それから、やはり過去問題は繰返し何度も解きました。似たような問題は、毎年出題されているので、そうした確実にとれる問題は絶対に間違わないようにしました。

ほかに、午後からの記述試験対策にも東邦技術(株)長谷川 真優美重点をおいて勉強しました。経験論文は毎年出題されているので、1ヶ月前にはまとめて一度上司に見てもらうのが良いと思います。それから、毎日1回は必ず書いて覚える(試験前日にはほぼ暗記できるほど)ようにしました。

また、記述式の選択問題は、どのような問題が出るのか全く検討がつかなかったため、過去問題を自分なりにまとめ、似たような問題が出ても対応できるように何度も書いてみたり、予想問題を立てたりして勉強しました。

勉強を進めていくなかで私が一番辛かったのは、勉強時間が思うように取れなかったことです。小学生2人の子を持つ母としては家事の時間をなかなか削ることができず、勉強を始める時間はいつも家族が寝た後、早くて11時すぎからでした。短い時間でも集中し、毎日少しでも続けるよう心掛けたものの、計画通りに勉強が進まず、イライラして家族に当ることもあり、本当に申し訳なかったなと思っています。

試験当日は、とにかく落ち着いて試験に臨みました。私はわからない問題があるとあせってパニックになり、わかる問題もわからなくなってしまう傾向がありました。そんな失敗をしないよう、わからない問題は今まで勉強してきた中からヒントになることを思い出して解く、それでもわからなかったらとりあえず、その問題はとばして先に進むなど、時間の配分にも気をつけました。午後の記述式でも、予想していたような問題は出題されなかったのですが、最後まであきらめず、自分の持っている知識の中で書けることは少しでも多く書こうと、試験時間ぎりぎりまでねばりました。

試験を終えて、午後の記述式は全く自信がなく、今年もダメかなとあきらめていました。ところが、9月にたまたま全地連のHPを見てみると、合格発表がされており、その中に自分の名前があるの地質調査技士に合格して28で本当に驚きました。その後数日間は間違いではないかと、毎日のようにHPで確認してしまいました。合格通知が届いてようやく実感がわき、その時は家族で一緒に喜びました。特に子供達はすごい喜びようで、この子達も小さいなりに心配してくれていたんだなと思い、涙が出そうでした。

合格はしましたが、まだまだわからないこと、勉強しなければならないことがたくさんあります。これからは、地質調査技士の名に恥じないように更に精進を重ね、日々の生活を送りたいと思います。

最後に、受験に際し、いろいろアドバイスしていただいた会社のみなさん、また支えてくれた家族に感謝をしたいと思います。ありがとうございました。

地質基礎工業(株)調査課熊谷 広幸

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1.はじめに

今回、地質調査技士に合格できたことに対し、会社の上司、周囲の関係者、そして家族に感謝したいと思います。少しばかりですが、私が受験を通して感じたことを報告したいと思います。

2.受験動機

地質調査の業界に携わり、まず第一歩としてこの資格が必要と感じたのが、一番の動機です。また、何かにチャレンジしたいという好奇心も受験の動機です。更に上司の後押しもあり、あまりプレッシャーを感じずに、現段階の自分を試す程度の意気込みで受験に試みることが出来ました。

3.受験対策

仕事をしながら試験勉強するのは、非常に大変です。特に家庭を持っているならば、家族の協力が無くしては難しいと思います。特に勉強が出来る環境作りですが、私の場合、時間を有効に使うことが下手なので、会社では昼休み、自宅ではちょっとした一人になれる時間での勉強が一番集中出来たと思います。少しでもいいので時間を見つけて、その時間に勉強するという『習慣』にしたことが良かったのかもしれません。また、日々の業務においても、十分な試験勉強になると考えられます。わからないことを常に調べる癖をつけることや疑問なことがあれば直ぐ上司に相談することが良い結果に結びついたと思われます。

私の試験対策は以下のような勉強方法を行いました。

1.択一問題

過去5年間の過去問をとにかく解きました。解いていくなかで苦手分野がわかってくるので、解らない用語や理解できない文章などは納得いくまで上司に聞いたり、参考書で調べたりしました。

2.記述式問題

i)経験論文

一番苦労したのがこの経験論文でした。いままでの実務経験の中で一つ選択することが難しく、また、800字以内にまとめることに非常に苦労しました。3パターン程度文章を作り、最終的に1つに絞込み、上司の添削によって、完成することが出来ました。本番までに暗記し、自信をもって書くことが出来たと思います。

ii)記述式問題

この問題は対策することが難しく、その場で対応する能力が必要と考えます。そのためには、得意分野における知識の幅と深さを高めなければなりません。また、地質調査における計画から調査後のアフターまでの流れを十分理解する必要があると思います。

4.最後に

今回の受験によって、得られたものを自分の人生の糧とし、現在の気持ちを忘れずにこれからの仕事に生かしていきたいと思います。また、この厳しい業界で、少しでも長く技術者でいれるように努力していきたいと思います。最後に今回の受験を最後までバックアップして下さった皆様に感謝を示し、私の受験報告としたいと思います。

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