協会誌「大地」No48

工業高校における実践的な人材育成事業に参画

東北地質調査業協会 理事 広報委員長 曽根 好徳

「クラフトマン21」をご存知でしょう か。「クラフトマン」とは、熟練工とか、 職人とかの意味ですが、「クラフトマン 21」とは、経済産業省及び文部科学省が 連携して、ものづくり人材育成のための 専門高校・地域産業連携事業のことです。 この事業は3ヶ年の事業(平成19年〜平 成21年)として立ち上げられました。

この事業では、工業高校と地域の産業 界が連携して「ものづくり人材」の育成 に取り組むこととしており、全国で23の 地域が指定され、この中に宮城県も含ま れております。宮城県では、宮城県工業 高等学校、宮城県石巻工業高等学校、宮 城県気仙沼向洋高等学校、仙台工業高等 学校の4校が指定されました。

具体的には、宮城県教育委員会と社団 法人みやぎ工業会とが受け皿となり、地域 のものづくり産業や建設業の担い手となる 若手技術者を排出する工業高校における実 践的な人材育成を図る取り組みを展開し、 実践的な技能と課題解決能力をあわせ持つ 人材の育成を目指しております。

このたび、社団法人みやぎ工業会より 「工業高校における実践的な人材育成事 業『クラフトマン21』実施に当たっての 協力依頼」を東北地質調査業協会あてに 頂きました。依頼内容は、上記指定4校 のうちの1校である仙台工業高等学校へ の講師派遣の依頼であります。東北地質 調査業協会では、地域貢献を積極的に行 う方針であり、依頼要請に対して速やか に快諾し対応し、下記に示す講義を行い ました。

協会では曽根好徳理事を筆頭に総勢7名を講師として派遣し、平成20年1月23日に仙台工業高等学校にて、土木科2年生40名を対象に約2時間にわたり講義と実演を行いました。前半の1時間は「地質調査業とはどんな職業か?」をテーマに、「地すべり」や「土石流」の災害事例をビデオで紹介しつつ、地質調査業の役割や仕事の分野等の概要を紹介しました。後半の1時間は、「地下を探る」をテーマにグランドにて実演を行いました。実演では、直接的に地下を探る方法である「ボーリングマシン」による「ボーリングコア」採取を紹介しました。また、間接的に地下を探る方法として、「表面波探査」を紹介ました。「ボーリング」で得られた「ボーリングコア」を手に地下の土質を観察したり、表面波探査では、カケヤでの表面波発生を体験したり、得られる波形を観察したりしました。生徒の皆さんは、聞きなれない講義を熱心に聴講してくれました。また、グランドでは、寒い中、これも熱心に説明を聞き、積極的に実演に参画してくれました。

後日、ご担当の大槻先生より、参加した高校生の皆さんのアンケート結果を頂きました(参考資料参照)。講義を担当したものとして、大変、うれしいアンケート結果でした。生徒の皆さん、楽しいひと時をありがとうございました。

最後に、このたび、要請を下さった社団法人みやぎ工業会のご担当の方にお礼申し上げます。また、講義のための準備段取りや当日のスムーズな運営にご尽力、ご指導を頂きました仙台工業高等学校の佐藤次吉校長先生、大槻浩義先生、村上誠先生はじめ多くの先生方に心より感謝いたします。なお、グランドの実演は、「ボーリング」ではマシン及びオペレータ・説明者をテクノ長谷(株)より、「表面波探査」では機材一式と説明員を応用地質(株)東北支社より派遣して頂きました。

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