協会誌「大地」No46

54.平成18年度地質調査技士登録更新講習会報告 技術委員会

東北地区協会主催の登録更新講習会は、平成14年度から昨年まで盛岡と仙台の2会場で行い、北東北在住の受講者の方からも好評を得ておりましたが、協会経費の削減を目的に、今年度から1会場での実施となりました。会員の皆様には大変申し訳なく思っております。

今年の登録更新講習会は、平成19年1月22日(月)に行いました。東北地区の受講予定者は313名であり、他地区への転出等を考えても260〜270名と、ここ数年で最も多くなることが予想されました。加えて、東北地区が全国で最後になることから、他協会からの振替が増えるものと考えられ、会場は従来の「ハーネル仙台」から288名収容の「仙台国際センター」に変更することになりました。最終的な受講者は276名と、ほぼ満席状態で多少窮屈な中での講習会となりました。

ハーネル仙台に比べ交通がやや不便なことや、周辺で食事ができる所が少ないことを考え、受講票には仙台駅からのアクセス方法を明記したり、お弁当屋さんを手配するなどの配慮をした結果、遅刻者や昼食の問題も起きず、スムーズに講習会を開催することができました。

午前の講義は、耐震偽装など昨今の技術者モラルの低下が叫ばれる中、地質調査業や地質調査技術者がなすべきこととして、倫理問題、教育・訓練などについて行いました。また、地質調査業の現況や環境変化として、入札・契約制度や独占禁止法の改正、「品確法」、情報化など社会情勢に関した講義も行われました。

午後には基本的な技術はもとより、最近の新しい調査技術の動向や土壌・地下水汚染に係わる内容まで、広い範囲にわたって行われました。熱赤外線による法面診断や多機能コーン試験、レーザースキャナー測量、光ファイバー計測など、今後増えてくるであろう周辺分野の技術についても紹介されました。欲を言えば、テキストにオーソドックスな調査手法やサンプリングなどについての記載が少ないことが残念でした。5年に1度の講習会ですので、改めて初心を思い出す意味でも、基礎的な内容があったほうが良いと思われます。

最後に、長時間にわたる講習会が受講者の皆さんの協力で無事に終えることができたことに、事務局一同感謝申し上げます。

受講風景

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