基礎地盤コンサルタンツ(株) 井上 雅裕 |
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この大地の「みちのくだより」には、従来から協会会員のお国自慢・紹介等の話題が掲載されています。私も在住する宮城県を大いに自慢し紹介したいところですが、自慢話は面白くない、単なる紹介記事では読んでいただけないと思うので、今回は少し趣向を変えて、ここは何とかできないの、こんなのがあればいいな、これは違うのでは、と思うことを勝手気ままに書いてみました。
昨年の10月10日から仙台ナンバーがスタートしました。ご当地ナンバーということで地域への愛着が深まり、周辺地域への宣伝効果も期待できること、それに何といってもカッコイイ(仙台)というのが本音だと思います。でもこれは、仙台を特別視した結果のように思います。産業界では盛んに地域交流や連携が叫ばれていますが、仙台だけは特別扱い、仙台以外の東北はその他の扱いという印象を拭いきれません。この意識(温度差)を捨てなければ、周辺地域(特に山形県)との真の連携も難しいと思います。
仙台には数々の観光名所があります。実際、それらを巡回する「るーぷる仙台(レトロ調のバス)」が街を走り、いつもいっぱいの観光客が乗っています。市内の観光名所に行って見て良かったと思う所はあると思いますが、今度は違う季節、違う人と訪れてみたいと思う所はいくつほどあるのでしょうか。一度訪れれば十分という所が結構多いのではないかと思います。これは対象物(観光名所)に表面的なものが多く、心に訴えるような深く味わえるものが少ないのではないかと思います。別に景色や神社仏閣でなくても良いので何かキラリと光るものが街中に落ちていないか、皆で探してみませんか。
観光客や出張族が多い仙台なのに、何故駅前に宮城県の産直物産品を扱う施設がないのでしょうか。駅地下には確かに銘店街はありますが、それは有名なお店の大量生産品が多く、JAや規模の小さい商店の商品はあまり見当たりません。隠れた名品、銘菓の紹介や販促に一役買うことができ、また宮城県を再発見できる施設になると思います。
立派な県立図書館が市北部にありますが、車でないととても不便です。市立図書館も駅東口から少し行ったところにありますが規模が小さくゆったりと閲覧できる環境にはありません。青森市や盛岡市のように駅前の再開発ビルのなかに図書館があれば、誰もが利用でき良いと思います。駅周辺には洋服や雑貨を売るだけの店ではなく、杜の文化の発信基地(駅)としての機能がほしいと思います。
100万都市仙台に本格的な地下街は存在しません。立派なアーケードが地上にあるので、それで十分との考えもあるかとは思いますが、地下連絡通路を歩くたびに寂しくなります。地上とは違う発想や視点で地下街を作り、地上と地下を回遊できれば楽しいと思います。
山形方面へ行くのにR48は山形道ができてもその交通量は多く、依然物流を担う主要幹線であることは疑う余地はありません。その途中の山間に作並温泉がありますが、皆が集い憩う場所がありません。近くに温泉があり、ウイスキー工場があり、名物の食べ物(油揚げ)もあるのにそれらを気軽に楽しみ味わう施設が是非必要だと思います。特に冬場は貴重な道路情報ステーションの役目にもなると思います。
ラッピングバスが市内を走っています。楽しく明るいデザインのものもありますが、定禅寺通りを走行して違和感のないが、定禅寺通りを走行して違和感のない市営バス等の収入増のためには良いアイデアだと思いますが、景観に配慮したデザインのものが求められると思います。宣伝広告は目立たないといけないという発想を変えないと解決しない難しい問題だと思います。
地上であれば街の景観上、地下であれば費用対効果の面で好ましい構造物ではありませんが、仙台市内の東西を横断する自動車専用道路(仙台宮城IC〜仙台駅〜仙台バイパス小鶴交差点〜利府中IC)があれば、市内の渋滞を気にすることなく走向できて快適です。しかし、地下鉄や新幹線高架橋を横断することで、設計・施工上の難しい問題が多いと思われるので、先ずは皆が路上駐車を止めることが大切だと思います。
都市間の高速バスは高速道路の着実な整備とともに本数も増えて便利になりました。また、JRも仙石線や仙山線の新駅建設、駅舎改修等により利用しやすくなってきています。しかし、高速バスでは発着場の整備が本数の増加に追いつかず、いまだにバスプールがない路線も多い状態です。また、JRも20時台以降のダイヤが30分以上空いている場合があり、100万都市とは思えない不便さです。一列車当たりの車両を短くして、その分本数を多くすることは効率の面から難しいのでしょうか。ところで、電車のボックスシートは座席間隔が狭く、90°に近い背もたれなので座るのには結構辛いものがあります。
市内には大小いくつかの更地(一部は駐車場として利用)があります。これらの中には、すでに商業施設やホテル、オフィスとして利用する計画でまとまったところもあります。土地を遊ばせておくのはもったいないので、経済効果を期待して有効利用が図られることは当然だと思います。しかし、必ず襲う宮城県沖地震などの災害に備えて、その一部を防災拠点としての緑地広場(公園)にできないものでしょうか。市内の勝山公園は狭いですが落ち着いたところで、特に秋には周辺環境を魅力あるものにしてくれてvいます。
だらだらと文章を書いてきましたが、内容は仙台に関することが大部分になってしまいました。と言うことは私が一番、宮城=仙台=特別と言う意識が強いのではないかと改めて思いました。宮城県の人口は約236万人、そのうち仙台市は102万人ほどで、県内人口の約43%を占めています(平成17年10月1日国勢調査より)。また、近郊の市を含めると50%を越えてしまう一極集中の状態です。将来、宮城県が仙台県ではなく雅の県であると他県にお住まいの方に思っていただけるよう、私を含め県民一人一人が意識し、身近なところから改善していくことが重要と考えます。
地質調査の協会誌ではなく商工会誌に投稿すれば良かったような内容に反省しています。