協会誌「大地」No45

46.平成18年度地質調査技士検定試験事前講習会・検定試験
技術委員会

地質調査技士資格検定試験は、従来の「現場調査部門(土質コース・岩盤コース)」「現場技術・管理部門」「土壌・地下水汚染部門」の3部門構成ながら、現場管理部門が「地質調査コース」「土質試験コース」「物理探査コース」の3コースに細分され、合計3部門6コースとなりました。これは、室内土質試験や物理探査を主業務としている方々にも、地質調査技士として第一線で活躍してもらいたいとの方針によるものです。地質調査業務における品質の確保や信頼度、社会的ニーズ、技術者の地位向上などが背景にあるものと思われます。

地質調査技士資格が担当技術者の要件に加えられる場合が増えており、今後もますます重要性が増すものと思われます。また、「土壌・地下水汚染部門」についても、各地で汚染事例が顕在化する中で、今後は資格の必要性が高まっていくものと思われます。

○事前講習会

6月12日(月)13日(火)の1日半の日程で、ハーネル仙台を会場に「平成18年度資格検定試験事前講習会」を開催しました。今年の受講者数は現場調査部門16名、現場技術・管理部門33名、土壌・地下水汚染部門5名の合計61名と、ほぼ昨年(60名)と同数となり、ここ数年来の減少に歯止めがかかった結果となりました。

今年度から新設された「土質試験コース」には7名の受講者があり、意識の高さが伺われました。

講習は各部門ともにテキストに沿って進められ、昨年出題された問題の解説も含めて行いました。また、協会技術委員会で作成しています過去3年分の問題に対する解説集は、CD-Rに納め受講者全員に配布し、受験勉強の一助となるようにしました。

講習会受講状況

1日目は現場技術・管理、土壌地下水汚染の両部門を対象に、各部門の専門技術や記述式問題への対応についての講習でしたが、土質試験コースは試験の詳細が不明なために十分な講義ができたか心配な面がありました。

検定試験後に実施したアンケートでは、事前講習会に関して次のような感想が寄せられました。

など

このうち、要望の多い経験論文については、削除などを含め委員会全体として対応していく方向で検討したいと考えております。

口頭試験(現場調査部門)

○検定試験

検定試験は7月8日(土)に行われました。

試験受験者数はここ数年で最も少なく、現場調査部門28名、現場技術・管理部門72名、土壌・地下水汚染部門6名の合計108名となりました。今年は、試験会場の関係で4会場に分かれての実施となりましたが、当日はさしたるトラブルもなく、無事試験は行われました。

試験問題を見ると、各部門ともに、ここ数年来の傾向と同様に専門的な問題が増え、全体として難易度が上がっているように感じられました。特に、現場技術・管理部門ではよりコンサルタント的な要素が多くなっており、選択式、記述式ともに問題が高度になっている印象があります。新設されたコースについては、事前の予想どおり各コースに特化した問題が多く出題され、加えて地質調査一般の問題とバランス良く配分されているようでした。

これに対して現場調査部門では、機長や助手の方が接する機会の少ないデータ解析などの問題も多く、業務の実態からすると、やや難しい印象を受けました。

この傾向はアンケートの結果にも表れているようです。

試験後に行ったアンケートでは、下図に示すような結果となり、部門毎で難易度についての解答に、やや偏りがあるように見えます。地質調査コースでは「普通」「やや難しい」「難しい」と答えた割合がほぼ同程度であったのに対して、土質試験コースでは「普通」と解答した人が他に比べやや多い傾向にあります。また、現場調査部門と土壌・地下水汚染部門では「やや難しい」「難しい」と答えた人が多くなっています。

技術委員会では、アンケートの結果も踏まえて、より分かり易い事前講習会を行い、一人でも多くの合格者を出せるようにお手伝いしていきたいと考えております。

<アンケート結果から見る難易度>

*物理探査コースは受験者1名のため割愛しました

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