土木地質(株) 長澤 加奈子 |
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当社は女性社員が少なく、私は総務と現業事務を兼ねて仕事をしています。
年々、作成量が増えていく安全書類や図面作成、社会保険の算定等、様々な仕事をするうちに、この状況下でいかに信頼される仕事をするか、ということを考えるようになりました。総務の担当業務は責任を一人で背負うやりがいのある仕事だと思っていますし、現業事務は、補助的な業務ですが、“仕事を頼んでよかった”と思われる人でありたいと思っています。私にとって一番ツライことは、“必要とされない人”になってしまうこと。そうならないためにも“ミスをしないように見直す”、“無責任に仕事を放棄しない”、という基本的な事を日々繰り返しながら仕事に励みたいと思っています。
さて、この原稿を書くにあたり、今まで“自分”をどのように人に伝えるか考えたことが無かった、ということを痛感しました。それを改善するためには日頃からしっかりとした考えを持っていなければ“自分”は表現し得ないため、簡単な目標を立てることにしました。それは“自分と向き合う時間を作る”こと。そのために日記をつけることにしました。
続けることが難しくなったときもありましたが、この原稿作成作業があるからこそ思い立ったことなのだと、楽な方へ傾きそうになる自分を戒め、“いつまで続けられるか”を考えるのではなく、“続けたい”と思うことが“自分”と向き合うきっかけになるのだ、と思うことにしました。
ところで、自分が日々“続けたい”と思うことって何だろう?と思ったとき、対照的な二つのことが思い浮かびました。一つめは“おいしいものを食べること”、二つめは“苦手なことに挑戦する気持ちを持つ”ということ。一つめは言葉通り、私の趣味とも言える大好きな事であり、逆に、もう一つの方は、苦手だからこそ気合いを入れて乗り越えなければならないこと、だと思っています。一つめをかなえるために、ここ1年ほど料理教室とパン教室に通っています。
自分の都合に合わせてパソコンや携帯から予約をすると当日、本格的でおいしい料理又はパンが作れ、その場で食べる事が出来るので、ランチを食べに行く感覚で楽しく通っています。1テーブル5名の少人数制で約1時間かけてみんなで一緒に料理を作るのは家庭科の授業以来で、和気あいあいとした雰囲気が大好きです。その中でまた食べたいと思えるようなおいしい料理に出会えることが幸せだと感じています。
また、二つめを実行するにあたって、いろいろな人たちとコミュニケーションを取ることを心掛けています。人見知りで初対面が苦手な私ですが、積極的に話さなければならない状況を作るために、今まで様々なことに挑戦してきました。
1年ほど前、パン教室に通い始めたばかりの頃、バターロールパンを作ったので、当時、同じく通い始めたばかりの英会話スクールの先生に食べてもらいました。
ちょっとした異文化交流のつもりと、パンを主食とする人たちの本場の反応ってどうなんだろう!?という好奇心もありました。その中のある先生が、弾力があるという例えを「ダンス!」と表現しながらぺろりと食べてくれました。新しい表現方法(スラング?)を知る事が出来たのはもちろん、おいしいと言って食べてもらえたことがとても嬉しく、それがきっかけで作る楽しさを感じ、作ったら誰かに食べてもらう、という新しいコミュニケーションの幅が広がりました。
また、英会話スクールに通おうと思ったきっかけは、以前海外旅行に行った際、通訳してもらわないと話せなかったことが嫌で始めたのですが、しばらく通っているうちに、社会人向けの短期留学制度があることを知りました。それはゴールデンウイークを利用して実施されるもので、外国の人たちと話したい!言葉が通じなくても交流したい!という思いが高じ、ロンドンの南西にあるバースという田舎町に10日間ほどホームステイして来ました。飛行機で約13時間のその場所は全てが始めてづくしで、まさに未知の世界に“飛び込んだ”という形ではありましたが、言葉の壁を感じつつも、つたない英語を一生懸命聞いてくれた優しいホストマザーのおかげもあって、今まで憧れているだけの場所から、具体的な町の印象を話せるまでになりました。例えば、この町で暮らす人々の多くが生まれたときから住み続けているこの町に誇りを持っていること、ヨーロッパの温泉の発祥の地で、その当時は混浴だったらしいということ、午後8時を過ぎても昼間のように明るいこと、紅茶の国だと思っていたら、毎日コーヒーを勧められたこと、そして噂通り曇りが多かったことなど、そこに暮らす人たちの生活や考え方、町の歴史など、日頃日本にいたらわからないことを数多く体験出来ました。やっぱり行動することが大事。行って良かった!と強く思いました。今は、外国の人との交流会やサークル等に参加してみたいと思っています。
よく、“外国の人と話すのは苦手だ”と聞きます。その対応策としては“慣れ”が一番だと思いますが、コミュニケーションの取り方の違いを理解することも苦手意識を克服する方法だと思います。それは去年参加したねぶた祭りで三沢から来ていた米軍の人たちと知り合ったことがきっかけで思ったことです。彼らは日本人にはそうそうお目にかかれないハイテンションさを持ち合わせ、ポジティブ思考でコミュニケーションを取ってくるので、最初は圧倒されました。しかし、私が持っていた“苦手意識”という壁を一瞬で取り払ってしまう力があり、お構いなしに話す無遠慮さが最終的には好意的で昔からの知り合いのようなコミュニケーションとして変化する様を目の当たりにし、思いがけない交流の術を見せてもらいました。自分が実践するのは正直ムリだとは思いますが、積極的に話しかけるヒントを得られた気がします。
“コミュニケーション”は私にとって苦手なことではあるけれども、思いを伝えるという大切な手段でもあり、“克服しなければならないこと”だと思っています。ここ数年、運動不足を解消するためウォーキングをしていますが、最近は、この時間がコミュニケーションの場になっています。日頃、ゆったりと自分の心と向き合い、その心理状態を人に話す事はなかなかありませんが、体を動かすことで心身共にほぐれるからなのか、開放的になり、話したいことを話せています。また、話すことで気持ちがすっきりと軽くなっている事に気付かされます。考えてみると、自分の言葉を人に伝えるということは、聞いてくれる人がいるからこそ伝えたいという気持ちになるので、周りにそういう人たちがいてくれるのがとてもありがたいと思っています。また、それが支えとなり、自分を強くしてくれるのだ、ということを改めて感じています。
最後に、私の原稿作成の奮闘記になってしまいましたが、思いがけず自分自身を見つめるきっかけを与えてもらいました。この原稿で“自分”を伝えられたのかはわかりませんが、これからも日々、気づいたこと、思ったことを日記として書き綴り、習慣として今後も続けていきたいと思っています。