高島 均

45.第8回 おらほの会社 新和設計(株)の巻


 東北地質調査業協会会員のみなさん、明けましておめでとうございます。この号が手元に届く頃、米沢は1mを超える 雪の中だと思います。さて応用地質(株)の四戸さんの指名によって新和設計(株)と周辺の風土を紹介します。

1.新和設計(株)の歴史、概要

 昭和43年2月、新和調査設計事務所として山形県米沢市で設立されました。平成9年に現在の新和設計株式会社に社名変更しました。

 郡山にある新和調査設計(株)は当時の郡山本店を分社化したものです。

 支店は山形市、仙台、関東にあり、酒田、新潟に営業所を展開しています。

 環境問題にいち早く取り組み、山形県の建設コンサルタント業界でISO14000を最初に取得しています。

2.事業内容

 当社の特徴として、4つの事業部制をとっていることがあげられます。

1)第1 事業部

 従来の測量業務に加えて、最近では補償コンサルタント業務に力をいれて、事業展開しています。

2)第2事業部

 地質調査をメインに担当している部署です。地域に密着しての地下水調査や地すべり、構造物基礎地盤調査、室内土質試験などの各種観測試験をおこなっています。

 最近では、新規事業としてコンクリート構造物の非破壊試験装置の販売を始めています。また、コンクリート構造物の劣化診断を手がけています。

3)第3事業部

 従来の設計業務を実施している部門です。「いろんなことに挑戦」を合言葉に、下水管渠の維持管理、GISにも取り組んでいます。洪水ハザードマップ作成にも実績があります。

4)地質環境事業部

 山形県土壌汚染協会の設立に参画し、山形県あるいは東北地方で存在感のある部署です。業務の性格上、全国をまたにかけて展開しています。最近伸びている部署です。

 東北を視野に入れ地域に密着したローカルスーパーコンサルタントを目指しています。

3.職場体験学習

 ここ数年、米沢工業高等学校の学生を職場体験の実習生として受け入れています。

 構造物設計実習、調査では土質試験、サウンディングの実習、測量では測量機器をつかって実際の敷地の測量実習をおこなっています。

 若者らしい目の輝きと真摯な態度に、「初心わするべからず」と思わされます。また、この業界に興味をもってもらいたく思っています。



4.地域ボランティア活動

 当社では地域ボランティア活動として松川河川敷きの清掃をおこなっています。川を通じた「人と人」、「人と川」の交流を深めていくためにおこなわれている活動『アダブト・プログラムまつかわ』に参加し活動しています。

 アダプトプログラムとはアメリカテキサス州で道路のゴミ対策として始められた取り組みのことだそうです。

5.仙台支店開設に伴う転勤

 プロジェクトを終了して帰国から約2年後の昭和55年、仙台支店の開設に伴い仙台に転勤となった。利府に機材倉庫を設け、事務所は東仙台小鶴の通称利府街道に面した小さなビルであった。帰国後に結婚し、転勤のこの年3月には長女も誕生し、慌しい転勤であった。



 以下は、周辺の風土・歴史・食べ物などの紹介です。

【上杉鷹山公】

 1961年、第35代米国大統領に就任したジョン・F ・ケネディは日本人記者団から「あなたが、日本で最も尊敬する政治家は誰ですかと聞かれ「上杉鷹山(ようざん)です」と答えたという有名な話があります。「なせばなる なさねばならぬ何事も ならぬは人の なさぬなりけり」鷹山公のことばです。

 財政破綻していた米沢藩に10歳にして養子となって17歳で藩主になり、米沢藩の藩政建て直しに成功した名政治家です。米沢織、鯉の養殖などの殖産振興と自ら一汁一菜を実行するなど知恵と実行力で改革を成功させました。天明の大飢饉にも領内から一人の餓死者もださなかったという故事はあまりにも有名です。

 不況下経営のあり方を見習いたい人に、童門冬二の「小説 上杉鷹山」の一読を進めます。

【米沢のABC 】

 米沢市の小学校では「米沢のABC」ということを学習するそうです。Aはapple 、Bはbeef 、Cはcarp です。

 りんごは舘山地区で生産されており、高い香りと調和のとれた甘酸っぱさが特徴です。

 米沢牛は神戸牛や松坂牛に一歩もひけをとらない肉質、風味があるそうです。私には高級なものの違いはわかりませんが、牛肉の駅弁はおいしく感じました。

 最後は鯉です。働けないで肩身の狭い思いをしていた老人たちに、池や沼の多い地形を利用して鯉の養殖を、鷹山公が 進めたことが今に受け継がれています。四国の町で葉っぱを商品にした話を聞いたことがありますが、頭を使えばいろんなアイディアが出てくるものだと思います。老人力の活用のさきがけでなかと思います。

【米沢ラーメン】

 おらほの会社シリーズおらほの会社シリーズ特徴はなんといっても手もみの縮れ麺。あっさり風味のしょうゆスープがベストマッチです。「ひらま」、「熊文」など有名店でなくても全体にレベルが高く、全部の店を食べ歩いたわけではありませんが、「鈴よし」、「沢田食堂」、「さつき食堂」、「まんさく」など小さくてお世辞にもきれいとはいえないところがおいしいと感じました。

【うこぎ】

 うこぎはウコギ科の落葉低木。枝のトゲが外敵の侵入を防ぎ葉は食用、根は薬用に利用できるため、戦国時代には全国各地の城下町で垣根に利用されました。鷹山公がうこぎ垣を奨励したので米沢にたくさん残っています。うこぎ垣の長さ日本一だそうです。飢饉時とちがい、今はせんべいや饅頭にいれたりして、美味しく食べれます。

【温泉】

 米沢の近郊には白布、小野川など8つの温泉があります。小野川温泉は小野小町が開湯したと伝えられ、美人の湯として有名です。

 小町が休んだという大きな石があり、その上で休めば美人になるそうです。姥湯温泉は標高1250mのところにある温泉で、秘境の露天風呂です。若い女性もたくさん来るようです。混浴?みたいです。

【おっぱいプリン】

 なぜか電気屋さんで売っているおっぱいの形をしたプリン。電気屋さんが研究開発したもので、新規開拓事業の成功例でないかと思い紹介します。

【雪灯篭まつり】

 300 基を超える雪灯篭と1000個を超える雪洞にろうそくが灯されると、一帯が幻想的な美しさに包まれます。感動的です。毎年2月の第二土曜日とその翌日に上杉神社一帯で行われます。

 当社でも灯篭づくりに参加しています。「おしょうしな」でした。

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