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斜面防災対策技術協会東北支部の技術委員を平成16年度から仰せつかり、同支部の機関誌「山が動く」に、「仙台市及び周辺の公園巡り」を連載する任務を与えられた。昨年度発刊の同誌第10号(記念特集号)では榴ヶ岡公園を紹介した。第11号では台原森林公園を紹介する予定である。 私は1949年に仙台市小田原車通で生まれ、大学を卒業するまでその実家に住んでいた。就職してから25年間は仙台から離れて暮らし、その後実家に戻ったが、その間の25年、仙台は大きく様変わりした。人口が2倍に増え、市街地も大きく広がり、旧市街地周辺では多くの場所で宅地造成がなされた。私が仙台を離れて暮らしていた1978年6月に宮城県沖地震が発生した。当時の新興住宅地で大きな被害が発生したこと、16名の子供がブロック塀の下敷きになり亡くなったことを知った。そしてこの25年間、都市再開発が進められ公園も整備された。仙台に戻った私は、休日には女房や息子といろいろな公園に行って季節を楽しみ、そして、昆虫採集やスポーツに汗を流すことにしている。そのようなことで、私にとってあまり無理なく書ける「公園巡り」の連載を引き受けた次第である。 仙台は「杜の都」と呼ばれている。都市部(特に旧市街地)に「緑」が多いことがその由来だと思われる。仙台市に公園がどのくらいあるのかわからなかったので、仙台市のホームページを検索してみたら、“政令市中、自然公園面積第1位(288.43km2)、一人当たり都市公園面積第2位(12.33m2)”と誇らしげに書かれていた。自然公園は、自然の風景と生態系を保護し、人間と自然が共生する場所であり、国や県が指定した公園である。一方、都市公園は、都市計画法や都市公園法の基に人間が作った公園であり、地区公園、総合公園、運動公園、動物公園、歴史公園、都市緑地、緑道(植樹帯)等が含まれる。 仙台市のホームページには「仙台市公園一覧」も掲載されており、これには1,447の都市公園がリストアップされていた。都市公園の最小面積は「古内高森緑地」の43m2であり、最大は「青葉の森緑地」の114.342haとなっていた。この一覧から都市公園の総面積を求めると1,195.79haとなった(平均面積0.826ha)。これは、仙台市の総面積78,809haの1.52%を占めることになる。ここで、公園の総面積を人口100万人で割ってみた。すると、11.96m 2/人なり、上記の“一人当たり都市公園面積第2位(12.33m2)”の記載より少ないことに気付いた(ちなみに、政令指定都市の中で人口一人当たりの都市公園面積が一番大きいのは、神戸市の16.4m2)。この面積差約36haを、勝手に旧市街地の緑道(植樹帯)の総面積と考え、その幅員を仮に10mとして計算してみると、その延長は36kmになる。「やはりこれだけ市街地に緑が多いのか。」と妙に納得してしまうのだが・・・?(この当て推量が正しいのかどうか、わかる人がおいでになるなら是非教えてほしい。) 今回の仙台市ホームページの検索で、仙台市の自然公園と都市公園を合わせた面積が、仙台市の総面積の約38%を占めることだけはわかった。しかしながら、「杜の都」と呼ばれる理由を公園の面積で裏付けようという試みは、あまり説得力がなさそうである。「杜の都」は、むしろ青葉通りや定禅寺通りのケヤキ並木に代表される市街地道路の緑地帯、そして、市街地に数多く点在する学校の敷地や神社・寺院の境内の樹木の多さと美しさから名付けられたと考えた方が無難なような気がしてきた。 公園を嫌いという人はいないと思う。でも、公園を行きにくい場所と感じている方はおられるかもしれない。公園に行けば、いろんな人を見かけるし、「お、そんなこともしているの・・」と教えられることもある。そんな観察結果も含めて、全く感じたままを「仙台市及び周辺の公園巡り」には書いている。読んでいただいた方に「公園にでも行ってみようか。」という気になってもらえればと、期待しながら書いている。興味のある方は、そちらも是非読んでみて下さい。 |
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