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技術資料 スウェーデン式サウンディング(東北地質調査業協会技術委員会) まずは、“サウンディング”に定義される各種試験を列記します。これには、前々号(第41号)で紹介した『標準貫入試験』も含まれています(参照:「地盤調査の方法と解説<(社)地盤工学会>」)。
※JIS:日本工業規格、 JGS:地盤工学会基準 上表のとおり、JIS(日本工業規格)に則っている試験は、『標準貫入試験』『スウェーデン式サウンディング』『オランダ式二重管コーン貫入試験(通称:ダッチコーン)』の3種です。今回は、この中の『スウェーデン式サウンディング』について、以下に説明をします。 『スウェーデン式サウンディング』は、(実態としては)深さ10m程度以内の粘性土・砂質土地盤を対象に“概略調査”“補足調査”として広く普及しています。普及している要因としては、“ボーリング調査(標準貫入試験)よりも安価であること”“N値への換算式が確立していること”が挙げられます。構造物の支持力を判定(判断)する場合等には、『標準貫入試験』で得られるN値を用いる場合が多いことから「ボーリング調査:1〜3箇所+スウェーデン式サウンディング:5〜10箇所」等の組み合わせにより調査業務が発注されることがあります。 【試験装置および器具】 ★スクリューポイント(先端部)→長さ200mm±2mm ★ロッド→スクリューポイント連結用:径19mm±0.2mm、長さ800mm±0.8mm →継足し用:径19mm±0.2mm、長さ1000mm±0.8mm ★おもり→100N(10kg)×2個、250N(25kg)×3個<合計:950N(95kg)> ★ハンドル+載荷用クランプ(全おもりを載荷した場合に耐えうるもの) ★引き抜き装置→三又+チェーンブロック、油圧ジャッキ等を使用する場合が多い。 【試験方法(概略)】
【記録整理】
【結果の解釈と利用】 ◎N値への換算(稲田の式) 《礫・砂・砂質土の場合》 N値=0.002Wsw+0.067Nsw→1000N荷重の場合:N値=2+0.067Nsw 《粘土・粘性土の場合》 N値=0.003Wsw+0.050Nsw→1000N荷重の場合:N値=3+0.050Nsw 例)粘性土地盤:1000N荷重で25cm貫入させるのに50半回転を要した場合の換算N値 Nsw=50×100cm/25cm=200→N値=3+0.050×200=13 ◎一軸圧縮強度への換算 qu ◎許容支持力への換算 《平板載荷試験結果からの換算式》 qa 《国土交通省告示による換算式》 qa 以上が概略の“試験方法”と“結果の利用方法”です。以下に留意点の一部を記載します。 【留意事項】
最後に、前述のとおり『スウェーデン式サウンディング』は、『標準貫入試験』の補足調査として実施するパターンが多いのですが、軟弱地盤の細かい層区分を実施する観点からいえば、25cmごとに強度(換算N値等)が算出可能であることから『標準貫入試験』よりも『スウェーデン式サウンディング』『オランダ式二重管コーン貫入試験』等の方が優れている場合もあり、調査計画を立案する際には“目的”“現地の状況”“構成地盤”等を勘案する必要があります。 <出典:「地盤調査の方法と解説<(社)地盤工学会>」、文責:技術委員会内藤祥志(国土防災技術株式会社仙台支店)> |
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