49.「技術e-フォーラム2004福岡」参加報告

実行委員会
はじめに

 来年度の全地連「技術e-フォーラム」が仙台で開催されることが決定しました。このため東北地質調査業協会では、実行委員会を立ち上げ、様々な準備作業にとりかかっています。前回、仙台で開催されたのが1996年でありますから、約10年ぶりの開催となります。
 そこで、来年度のフォーラム開催の参考とすることを目的に、奥山理事長・橋本実行委員会委員長をはじめとして実行委員会の代表が、平成16年9月21日〜9月22日に開催された「技術e-フォーラム2004福岡」を視察しました。
 今回の参加は、フォーラムへの参加だけでなく、全地連・九州地質調査業協会との意見交換会も行われ、開催までのプロセスならびに苦労話など有益な体験談・アドバイスを得ることができました。
 ここに、「技術e-フォーラム2004福岡」の参加報告をいたします。


いざ会場へ

 今回の視察は、来年度の開催の参考とするため、開場前より会場に赴き、受付・看板の準備状況なども見学しました。
 当フォーラムは、福岡の中心街に位置する“アクロス福岡”で行われました。
 福岡市の公共機関であるとのことでしたが、広々とし、静かな環境のもと開催されました。また、受付では、当地の観光案内(中には中州の店紹介もあり役に立った人もいたかな・・・)も配られ福岡の見所がアピールされていました。
 なお、今回のフォーラムでは、発表論文集がCD-Rに納められ配布されました。
 分厚い論文集からCD-Rへ。こんなところにも電子化の波が押し寄せています。
 但し、当日、封も開けていない人も何人かいたのも事実です(CD-Rの問題点?)

図2   図3
会場となった“アクロス福岡”   配布された資料


特別講演

 フォーラムの開催のオープニングとして9月21日の午前中に地下2階のイベントホールにて特別講演が行われました。
 特別講演は、「死都日本」の作者である作家で医師の石黒耀先生により「九州の火山神伝説」を演目に行われました。
 講演は、九州の火山にまつわる神話を紹介され、古事記創世記における地学的な関係(火山との関係)を興味尽きなくお話ししていただきました。
 地質分野にまつわる人気作家の講演とあって、一般の方の聴講も多かったようで、九州地質調査業協会の方によると、約450人の入場があり、大好評でした。
 また、終わった後には、おもしろかったと言う感想が大半でした。石黒ワールドに興味のある方は、「死都日本」(講談社)を読まれてはいかがでしょうか。(上記写真参照:第2作「震災日本」(講談社)も出ています。)

写真   石黒先生の著者 「死都日本」(講談社)


技術発表会


 特別講演に続いて、各会場に分かれて技術発表会が行われました。技術発表会は、一般セッション・オペレーターセッション・特別セッションの3つに分かれて行われ、発表論文数は、一般セッションが124編、オペレータセッションが11編、特別セッションが5編、合計150編に及びました。
 技術発表会は、5つの会場に分かれて行われましたが、いずれの会場もほぼ満席状態で、一部には立って聴講される方も見受けられました。
 術発表会のうち、一般セッションは、地下水・原位置試験等の11項目に区分され、それぞれ専門的な発表がありました。
 すべての発表会を見ることは不可能ですが、発表は“Power Point”が利用されたものであり、内容を含めて見やすさ、視覚に訴えるものになっておりプレゼンテーションの大切さについても非常に参考となりました。

写真   とある会場の風景


フォーラムシアター

 技術発表会と平行して、一般の方々も入場可能なフォーラムシアターも行われました。
 フォーラムシアターの内容は、シンポジウムとして「地質情報整備に関する将来展望」「NPO地質情報整備・活用機構によるワークショップ」「コンサルタントエンジニアの新たな役割」「九州の地熱資源の紹介」「全地連活動報告」と続きました。
 講師は、大学関係者・各種学会・全地連の方々にて行われ、こちらもほぼ満席の状態でした。
 特に、今回のフォーラムシアターでは、熊本県土木部の方より「地方自治体の公共事業における新たな業務形態への動き」の講演があり、発注者側の講演という点で新鮮な発表でした。


企業展示・パネル展示・展示場

 会場に展示されている内容は、会場の広さを反映して、充実していたように思われます。
 受付に近接した一般の方々が入場可能なエリアには、各企業や学会等の展示ブースが設けられ、各企業のアピールの場となっていました。かなり、熱心に質問をされていた方も見受けられましたが、先に述べたフォーラムシアターの出入口とリンクしており、混雑している感が否めませんでした。
 また、会場の1つでは、特別展示として「九州の特殊土と地盤」と題した展示室が設けられていました。
 その他にも、パネル展示として「九州各県の水災害」「九州各県の石橋」「国土交通省 九州地方整備局展示」が行われ、九州地区の地域性が出ていたと思います。休憩時間や昼食時間に参加者が見入っていました。

図2   図3
特別展示:九州に分布する特殊土   パネルの展示


技術者交流懇親会

 1日目の夜、参加者の交流を目的とした懇親会が実施されました。来年度、東
 北地質調査業協会が主体となり、懇親会を開くことから、今回の視察の参加者で出席してきました。
 懇親会は、フォーラム会場からほど近い西鉄グランドホテルにて行われました。全出席者は300人に達し、盛大な懇親会でした。地域色も一部に見られ、ブームとなっている九州の焼酎コーナーが設置され幻の焼酎も置かれていましたが、一瞬のうちになくなっていました。
 また、博多どんたくなど地元の踊りなどの催しの後、次回開催地の理事長挨拶が奥山理事長により行われました。
 懇親会は、懇親会前半部の挨拶の時間が長すぎた、来年の懇親会では様々な郷土色を出したいなどの意見も聞かれ、今後の開催の参考となりました。

図2   図3
懇親会場   理事長あいさつ


九州地質調査業協会との合同会議

 視察2日目の午後、「技術e-フォーラム2004福岡」の視察の最終行程として、九州地質調査業協会との合同会議が行われました。この会議には、全地連も同席されました。
 合同会議では、両協会理事長の挨拶に始まり、全地連の池田氏よりフォーラム開催にあたっての概要説明、さらに、 九州地質調査業協会より福岡での開催までの1年間のプロセスについて説明がありました。
 その後、質疑応答となりましたが、視察後でしたので、招待状の送付先や特別講演の講師の方の決定経緯、講師の方々・余興を行ってくれた人へのお礼等々、開催にあたっての具体的な質問が熱心に行われました。
 なお、フォーラム開催中にありながらも、当協会からの合同会議開会の申し込みに貴重な時間を割いていただいた九州地質調査業協会の方々に感謝のお礼を申し上げます。



おわりに

 今回の視察は、フォーラムを実際に体験し、さらに、今回の開催者の苦労話・裏話などが聞けたことなど非常に有益なものだったと思います。この原稿を書いている段階も、実行委員会が何度か開かれてきましたが、福岡でのよかった点や改善したい点など、実際に各委員が今回の視察で感じたものを踏まえた、意見交換、提案がなされてます。
 東北地質調査業協会では、来年度の技術e-フォーラムの開催に向け、理事会のもと、企画委員会・実行委員会が立ち上がりました。組織構成は右記表の通りです。


 来年度のフォーラムの開催にあたりましては、関連学会の方々、各県理事の方々、また、様々な立場の方々のご協力が必要です。会員をはじめとする皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。 (文:日本工営(株)井戸 和彦)
  表
組織構成表
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