(株)新東京ジオ・システム   古城 正明

古城 正明

26.みちのくだよ 山形 さくらんぼの生産日本一

 毎年6月になると、山形県内の寒河江市、東根市、天童市等の内陸地方は『さくらんぼ狩り』等で多くの観光客や県内外からのマイカーで賑やかになります。

 各地区では、さくらんぼの種飛ばし、マラソン、綱引き、お祭り等沢山のイベントが開催され、子供から大人まで楽しい時間を過ごす事ができます。

 さくらんぼは、冬の休眠期に7.2℃以下の時間が約1400時間必要と言われています。おいしいさくらんぼを収穫するには様々な自然との闘いがあり、長年の経験や技術が必要となってきます。親が子を愛情もって育てるような多くの労力が必要です。

 また、さくらんぼは雌ずい(メシベ)の長さが長くなると極端に寒害が起こりやすくなります。生育が停止している時期はマイナス10℃低温でも耐える事ができますが、雌ずいが伸び始める頃から抵抗力が弱まり、被害が増加します。そして、四月に入り、遅霜による被害発生の恐れがあると各地の気象台から霜注意報が出されます。

 霜の降りやすい天気の状態としては、次の事があげられます。

1.日中、北風が吹き夕方ピタリと止み、晴れ上がった時。
2.夜間に空が晴れて、星がピカピカ光っている時。
3.中国大陸北部からの移動性高気圧に覆われ、寒気の流入がある時。

 このような天候の時は、気象状況に注意して、重油や固形燃料で点火し、長期間燃焼させたり、防霜ファンを稼動させ上層の暖かい空気を下層の冷たい空気と攪拌し空気を上げる等の対策が必要です。

 皆さんも、サクランボの木を一度は目にした事があると思いますが、6月下旬になるとひょう害、風害、鳥害、雨害防止の為にさくらんぼの木はビニールでスッポリと上部を覆われ、周囲はネットで囲まれます。これらの作業は高所作業で、一歩誤れば人身事故にもつながる危険な作業です。

 みちのくだより みちのくだより平成4年には、さんらんぼは完全輸入自由化され、外国の物も食べられるようになりました。平成3年11月現在で、現在栽培されている6品種の他新種苗法に基づく登録品種数は19種類となっています。(セネカ、ジャボレー、高砂、佐藤錦、ナポレオン、南陽、紅さやか、豊錦、瑞光、香夏錦、正光錦、まさみ、桜頂錦、ジャンボ錦、弘寿、ハ興錦、ダイアナブライト、夕紅錦、羽陽ことぶき、光麗、東香錦、紅秀峰、陽峰、高陽錦、大将錦)最近では、観光果樹園をやっている人も多く、毎年全国各地から多くの人が訪れます。そして、お土産に佐藤錦を買っていくそうですが、とても好評で毎年電話やFAXで注文を受けるそうです。一度食べたらその美味しさが忘れられない山形のさくらんぼは6月上旬〜下旬が最も食べ頃です。

 さくらんぼをお腹いっぱい食べた後に、山寺、蔵王、月山を訪れ、夜は天童温泉、上山温泉、寒河江温泉、東根温泉で旅の疲れを癒してはいかがでしょうか。

 今年も、さくらんぼの時期がとても楽しみです。
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