奥山ボーリング(株) 佐々木 俊吉25.みちのくだよ 秋田 2年連続、全国大会が秋田で開催
阪神淡路大震災に続く新潟中越地震。 ともに直下型地震の恐ろしさと、中越のそれには地すべり、斜面崩壊等によって天然ダムが形成され、決壊や土石流等二次災害の心配が加わり、まさに日本国土の脆弱さを象徴する思いがいたします。 被災を受け、日増しに寒さに向かう最中に避難所での生活を余儀なくされている方々に、深甚からお見舞い申し上げます。 空からその惨状を見て涙する少女、戻りたいけど何年かかるのかとつぶやく少年、この子たちの将来のために一日も早く復興させることが、均衡ある国土の発展と保全のためにあるべき本来の姿だと思います。費用対効果などの理屈がまかり通ることがないことを祈ります。 さて、タイトルにあるように平成15年7月に地盤工学会が、そして平成16年9月には日本地すべり学会と、立て続けに関係学会の全国大会(研究発表会)が秋田で開催されました。 当社はもとより、県内の関係業界をあげてこれらの準備・本番と2年続けて奔走することになりましたが、二つの学会は、研究領域が重複しているためにどちらにも所属している会社が多く、長く関係した会社では準備期間を含めると2回分延べ4年もつき合ったことになり、大変だったというのが本音でしょう。 幸い、当社の場合は関係部署別に対応したのでそれぞれ1回の体験で済みましたが、それでも会社経費としては、2回4年分の膨大な人件費となり、文句を言わなかった社長には頭が下がりっぱなしでした。また、東北地質調査業協会様には両学会ともにご支援をたまわり、紙面をお借りして厚くお礼申し上げます。 地盤工学会の際には、秋田県地質調査業協会と秋田地盤研究会(秋田大学、秋田高専、中央コンサルタント、県内コンサルタントそれに地質調査会社)が活動部隊となり、地すべり学会では秋田県地すべり対策技術協議会と全国地すべり対策技術協会東北支部の会員が活躍しました。 地盤工学会では、日本海中部地震20周年特別展示コーナーや大会直前に発生した三陸南部地震をテーマにした緊急報告会が、地すべり学会では、東北の活断層と直下型地震の講演など、両学会とも県民を対象にした行事が特徴的でした。おかげさまでどちらの大会も盛会裡に終えることができ、地元の責任を果たしたと感じております(地盤工学会の詳しい内容は学会誌 土と基礎H15.12月号)。 一見、対照的だったのは交流会(意見交換会)で、地盤工学会が賑やかにアトラクションを導入したのに対し、地すべり学会は森林浴のイメ―ジのなかに鳥の声といったいわば動と静の違いがあったのですが、会場はそんなことより両学会とも提供した「秋田の地酒」が一番だという評価が大勢を占め、飲んべえにとって学会の違いも雰囲気も関係なく、要するに、秋田=地酒=参加という行動パターンであったことを認めざるを得ませんでした。(2004年11月17日) |
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