62.オペレーターのための地質調査技士資格取得実践セミナー
技術委員会 |
1 .はじめに 東北地区で活躍されているオペレーターの方々の地質調査技士資格試験合格率アップを目的として、平成14年度より『地質調査技士資格取得実践セミナー』を実施しています。当セミナーは今年で三回目を数え、合格者増員のための一助となってきたものと自負しております。このセミナーは事前講習会や試験日を踏まえ、5〜7月の(午後1〜5 時)計3回、協会会議室で継続対話型勉強会方式により実施いたしました。なお、今年は第3回目のセミナーを試験当日の会場(ハーネル仙台)に移して、試験本番の雰囲気を体感しながらのものとしました。 技術委員会では試験問題の傾向などの情報収集を行いつつ、受講者に対して逐次提供していきました。参加者は地質調査技士資格検定に合格したいといった意思のある少人数とし、試験日までに合格レベルに到達することを目標に試験準備に取り組んできました。以下に、セミナーの内容についてご報告いたします。 2 .セミナーの主な内容と研修部員の感想 本セミナー実施にあたっては、事前に自分の不得意分野を整理していただいて技術委員に提出していただき、これを基に不得意共通分野をもった数人がグループ(1〜3名)となってセミナーを実施していきました。各グループには一人ずつ技術委員が最後まで担当し、それぞれのカリキュラムで勉強していきました。 以下に、カリキュラムごとの内容についてご報告いたします。 【岩盤コース】 岩盤コースの受講者は1名の参加で、本来のマンツーマン体制でのセミナーとなりました。学習プログラムは、事前に聞取った弱点分野を中心とした内容とし、試験直前の3回目には総まとめとしての学習を行いました。 1回目・2回目は主にオペレーターの方が普段接していない、基礎問題や岩の判別分類といった内容の勉強に重点を置き、日ごろ現場でも目にすることのない物理探査や検層分野の問題に取り組みました。この手の問題は完璧にマスターするのではなく、試験に合格するための知識として勉強していきました。 3回目については、管理技法に関する問題を確認のために学習し、その後試験直前の一問一答形式(択一問題)による 総合学習としました。さらに、時間内に記述式問題や午後の口頭試験に対する留意事項について学習しました。 【土質コース】 土質コースの受講者は7名で、事前に聞いた不得意分野別に2〜3名のグループに分け3グループで学習しました。 学習プログラムは、各グループとも1回目は基礎知識とサンプリング・原位置試験・孔内検層、2回目は不得意分野に上げられた土と岩の判別分類も含め調査法の理解度と管理技法を学びました。3 回目は1 回目、2回目の復習も兼ねて試験直前の模擬試験的な学習と、筆記試験、口答試験の留意点について学びました。 学習方法は基本的には過去問題を解きながら、なぜ正しいのか、なぜ正しくないのかを各自考えてもらい、技術委員が一つ一つ丁寧に解説し、幅を広げた知識として身に付くよう、類似の問題に対応できるよう学びました。3回目には不得意部分を集中的にチェックしたり、模擬試験的に問題を解いたり、試験直前の雰囲気で学習しました。 【模擬口頭試問】 模擬口頭試験は、セミナー参加者に事前のアンケートを実施したところ、「是非行って欲しい」との声が多いことから、今回初めて模擬試験を行うことにしました。 参加者は、ほぼ全員実施しました。各参加者の質問に対する受け答えは、かなり良い結果でした。また、「地質調査業に対する意見等ありましたら」との問に対し、自分なりの答えが返ってきたことに試験に対する意気込みを感じました。 模擬口頭試験結果を踏まえ、自分の経歴を復習するように指導しました。 【意見交 換会】 セミナー最終回にセミナー参加者と担当委員の全員で意見交換会の場を持ちました。軽食を取りながらセミナー全体の反省や試験の対応等について雑談形式で実施しましたが、試験の1週間前であり、セミナー参加者は初めやや緊張したおもむきでした。次第に時間と供に緊張もほぐれ、参加者の率直な意見を聞くことができ、今後のセミナーの実施方法等について考える点も多く、次年度に向けた有意義な時間を持つことができました。 3 .参加者の声 当セミナー受講生の方からは、自分で勉強する良いきっかけができて、大変有意義なものでしたとの声を聞くことができました。 また、本年のセミナーでは、昨年来から要望のあった『過去問題の正解と解説』を作成し、自宅で自習できる体制としました。この解説集は一部事前講習会でも配布しており、好評をいただいております。技術委員会では来年度に向け、さらに充実した内容として皆さんの目に触れられるようにしたいと考えております。 4 .次年度に向けて 技術委員会では、今後も会員向けのサービスとしてこのセミナーを継続して実施する予定ですので、次年度の合格を目指している方々、期待していてください。また、今回のセミナーを受講された方々には、9月に吉報の届くことをお祈りしております。
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