5月20 日に開催されました平成15 年度定期総会におきまして皆様からの推薦を受け、理事という大任をおおせつかいました。今後は協会の発展のために微力ながら努力していく所存でありますので、どうぞよろしくお願い致します。
さて、新理事としての心構えが出来ないうちにこの“みちのくだより”への投稿の依頼を受けました。何を書いたらよいか思案いたしましたが、私が愛する青森の祭りを四季に分けて独断と偏見で紹介したいと思います。
私は生まれてから18 才まで秋田県大曲市で過ごしておりました。しかし、何がきっかけでここ青森に半世紀に渡り居座ってしまったのか。今改めて思うと四季の移り変わりの美しさと各地で行われる祭りの素晴らしさに心惹かれたことが一因となっているように思えます。
春、八戸市のえんぶり祭りが始まる頃からこの季節の息吹きを感じます。えんぶりは、馬の頭部の形に似たえんぶり烏帽子というものをかぶって舞うもので、三八地方に長く伝わる豊年祈願の祭りであり、昭和54
年2 月に国の重要無形民族文化財に指定されています。県内の春はやはり「桜」で代表されます。その代表格といえば弘前公園で開催される「弘前さくらまつり」でしょう。園内に咲き乱れる桜は、大きく美しく見事なものばかりで、お濠の水面近くまで伸びている桜、天守閣のある本丸のシダレ桜、西濠にあるカップルにとって最高のデートスポットである桜のトンネル、どれをとっても見応えがあります。特に夜、照明に照らされ水面に映し出される桜はとても幻想的な風情であり、一見の価値があります。また、昭和61
年8 月に建設省から「日本の道・百選」に選ばれた十和田市の官庁街通りも県内では桜の美しさでよく知られている所です。長さ約1km 、幅36m
の道沿いに咲き誇る様はまさに桜の屋根を持つ道といったところです。
夏は何と言ってもねぶた祭りでしょう。ねぶたは勇壮な武者を型どった青森ねぶた。三国志など歴史上の人物を鏡絵
とし、美人画を送り絵とした扇型の弘前ねぷたに大別されます。
青森ねぶたは昭和33 年に東北3 大祭りに指定されてから国内外の注目を集め、昭和38 年にはハワイに渡り、以降ブラジル・イタリア・中国など世界各国へ派遣され、国際親善使節としての役割を果たしています。最近、観光化という波に乗り、巨大化し、ねぶた本来の姿を失ったといわれていますが、その勇壮な姿は他の祭りにはない威圧感があり、笛や太鼓のリズムとラッセラーの掛け声で乱舞するハネトを見ているだけでも体が熱くなります。
弘前ねぷたは青森ねぶたより歴史が古く、昭和55 年に重要無形民族文化財に指定され今に至っており、笛と太鼓の囃子と共にヤーヤドーの掛け声で市内を練り歩きます。
近年、脚光を浴びてきたのが高さ20mにもおよぶ五所川原市の立ちねぷたです。明治の中頃盛んにねぷたの高さを競い合っていたようで、20m を超えるねぷたに灯を入れると、何km
も離れた村からでも見えるほどだったと言われています。約80 年前に電気の普及により電線が障害となり、この祭りは一時姿をなくしましたが、有志らにより平成8
年よりこれを復元させ現在に至っています。平成10 ・11 年には東京ドームで開催された「活彩あおもり大祭典」に出陣し、入場者がその大きさに度肝を抜いたようです。
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