1.オペレーターのための地質調査技士資格取得実践セミナー 技術委員会

1.はじめに


東北地区で活躍されているオペレーターの方々の地質調査技士資格試験合格率アップを目的として、昨年度より『地質調査技士資格取得実践セミナー』を実施しています。本セミナーは事前講習会や試験日を踏まえ、4 〜7 月の(午後1 〜5 時)計3 回、協会会議室で継続対話型勉強会方式により実施いたしました。技術委員会では今年の試験制度変更に対する情報収集を行いつつ、受講者に対して逐次提供していきました。参加者は地質調査技士資格検定に合格したいといった意思のある少人数とし、試験日までに合格レベルに到達することを目標に試験準備に取り組んできました。以下に、研修内容等についてご報告させていただきます。なお、今年のセミナーは昨年実施後の意見を踏まえ、少人数による個別レッスンの形式としました。

2.セミナーの主な内容と研修部員の感想

本セミナー実施にあたっては、事前に自分の不得意分野を整理していただいて技術委員に提出していただき、これを基に不得意共通分野をもった数人がグループとなってセミナーを実施していきました。各グループには一人ずつ技術委員が最後まで担当し、それぞれのカリキュラムで勉強していきました。以下に各グループの学習内容について報告します。

【第1 班】

第1 班の受講者は、土質部門2 名、岩岩盤部門1 名の計3 名で、今年始めて受験する人、数度以上受験している人まで様々でした。

学習プログラムは、セミナー参加者が不得意な分野を中心に組み、1 回目を基礎知識、サンプリング・原位置試験に、2 回目を調査技術の理解度、管理技法に、3 回目を記述問題、口頭試験に焦点をあてて学習しました。 セミナーは、まず、項目毎に過去5 年間に出題された問題を各自で解き、その後、みんなで回答を出し合って、答え合わせをし、なぜそれが正解なのかを討論・説明しました。適度な緊張感の中にも、和気あいあいの雰囲気で進めること3 回目のセミナーでは、全員が口頭試験は苦手ということでしたので、口頭模擬試験を実施しました。「実際に、質問されてみると、なかなか言葉がでてこない」という感想もありましたが、本番に向けて練習になったのではと思います。参加者に吉報がくることを信じています。

【第2 班】

第2 班の受講者は3 名、いずれも昨年度のセミナーにも参加してくれたリピーター(誠に残念ながら...)でした。参加申込時のスキルチェックでは、3 名とも現場技術分野は得意だが、基礎知識や調査法の理解度などが不得意という自己評価でした。第2 班では、この弱点を補強することを目標として、「今年こそ合格だ!」の意気込みで取り組みました。初回は過去の問題などを使用して基礎知識や土質試験、物理探査などの弱点を中心として勉強しました。2 回目は労働安全衛生規則などの管理技法と、記述問題に対する解答のポイントを勉強しました。最終回は模擬テストを行い、これまでのセミナーと自己学習の成果を確認し ました。最終回の模擬テスト結果では、弱点となっていた分野でも確実に得点がアップしたほか、合計点は合格ラインを上回り、これまでの勉強の成果を実感しました。研修部員一同、9 月の発表では受講者全員が合格することを確信しています。

【第3 班】

第3 班の受講者は4 名で、試験初挑戦から二回目の挑戦といった若手の班になりました。申し込み時の調査では、皆さんが基礎知識あるいは管理技法が苦手であるとの評価を受けて、これらを中心に学習プログラムを組みました。学習プログラムは1 回目・2 回目について過去5 年間の良く出る問題を中心に実践方式で学習し、3 回目の試験直前には確実に学習しておくべき項目を一問一答形式で復習し、記述式試験や口頭試験の対応について学習しました。また、いつもオペレーターの方が苦手とする室内試験や物理探査といった項目も組み込みながら、ボーリングの現場ではあまり経験することが少ないが、試験には常にでるといった項目を重点的に学習していきました。これらの不得意分野は満点を目指すのではなく、いつも出る問題を確実に解けるようにして合格ラインをクリアーするようにしていきました。最後のセミナー終了後の時点でもみなさんかなり不安そうにしていましたが、試験後の顔を拝見したところ、手ごたえありとの感じを受けましたので、みなさんに吉報がくることを信じています。

3.参加者の声

3 回目のセミナー終了後、参加者に簡単なアンケートを実施しました。大勢の意見としては、セミナーの内容は大変参考になり、弱点克服の役にたったとのありがたい回答をいただきました。特に受講者からは、来年以降も続けて実施してもらいたいとの意見がありました。また、要望としては過去の試験問題の解説を書いたテキストが欲しいといった意見をいただきました。これについては、今後技術委員会全体の課題として検討していきます。

4.次年度に向けて

試験当日にセミナー参加者とお会いする機会があり、結果の様子をお聞きしたとこと、手ごたえはあったとのお答えをいただきました。9 月の発表には良い知らせが届くことを期待しております。技術委員会では、今後も会員向けのサービスとしてこのセミナーを継続して実施する予定ですので、次年度の合格を目指している方々、期待していてください。

 
個別対話方式のセミナーの様子
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