東北地質調査業協会理事長    奥山 紘一

01.新理事長就任のご挨拶

 北国の長い冬が終わると、自然のぬくもりと爽やかな初夏の風が、躍動感あふれる“みちのく東北”の夏への季節を運んでくれます。

 会員の皆様には、ますますご清祥にてご精励のこととお慶び申し上げます。又、日ごろは本協会運営と諸般の活動に関して、ご理解・ご協力を賜り心から感謝と御礼を申し上げます。

私は、過日の定時総会におきまして、会員各社の皆様からのあたたかいご理解とご支援をいただいて、宮川和志前理事長の後任として、本協会第8 代目の理事長にご推挙いただきましたことは、誠に光栄の極みであり、心から感謝と御礼を申し上げますとともに、その責任の重さを痛感しているところであります。

 もとより浅学非才、経験不足の私ではありますが、先輩諸兄と会員の皆様からの折りに触れてのご指導・ご叱正をいただきな
がら、微力ではありますが、地質調査業の社会的使命・社会的貢献と公共の福祉に寄与することを目指して、協会発展のために全力を尽くしてまいります。

 本協会は、昭和34 年全国に先駆けて設立され、永い歴史と歳月を刻みながら協会活動に邁進してきましたが、昨今の社会情勢・経済環境の激変、そして技術革新のうねりは、協会設立以来、経験したことのない未曾有の危機的環境にあり、まさに「変革への対応」を余儀なくされている状況にあります。

 得に、業界市場の急速な縮小の中で、透明性の確保と業者選定方法の多様化を目的とした入札・契約制度の改革、デジ
タル技術による成果物の電子納品・電子入札の導入、技術者制度の改善、成果物の「瑕疵」への対応など、地質調査業を取り巻く環境は急速に変化しつつあり、且つ極めて厳しいものがあります。

 このような状況を踏まえて、国土交通省の「建設関連業展開戦略」と全地連の「地質調査業の21 世紀ビジョン」をベースにして、地質調査業の新たな展開を図るための経営改善と優れた専門技術の向上・研鑽、顧客の信頼と要に応えられる協会体質を構築していくことが急務であり、本協会に課せられた最優先の課題でもあります。

 幸にして、有望な市場として、数年来積極的に取り組んできた土壌・地下水汚染分野において、「土壌汚染対策法」の制定と「不動産鑑定評価基準」の改正を機に、土壌・地下水汚染分野の市場に新たな展開が見えてまいりました。又、「土壌汚染対策法」に基づく指定調査機関に、その要件として地質調査業者が明示され、市場進出に関して一定の成果が得られました。

 本協会では、地質調査業の社会的地位向上と事業量の確保・拡大、併せて受注条件の改善を目指して、会員企業の経営革新・技術力向上を支援するための各種講習会・セミナー・シンポジュームなどを通じて、会員へのサービスと情報提供に努めてまいります。

 特に、地質調査業の社会的地位向上と地質調査業に従事する従業員の資質の向上を図り、もって本業の社会的使命と福祉向上を高めることを目的として、本協会の「社団法人格」の早期認証取得、あわせて社会的責任・使命を果たし、顧客の信頼に応えるための行動指針としての「倫理網領」の制定を、今期の最重要事業計画として取り組んでまいる所存でありますので、よろしくご理解とご協力をお願い申し上げます。

 最後に、東北地質調査業協会の発展と、会員各社のご繁栄を心からご祈念申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

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