協会誌「大地」No47

(株)東建ジオテック東北支店 支店長 対馬 純一

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45.二度目の単身赴任

東北地方の同業のみなさん、こんにちは。本年4月(3月21日付)から東北支店に配属になりました対馬と申します。仙台に来てまだ4ヶ月しか経っておらず、落ち着いてはいない状況にあります。「人物往来」ということですが、みなさんに語れるほどの人物ではございませんので、簡単な自己紹介と、この4ヶ月で感じたこと、わたしと東北地方のかかわりなどについて紙面が許す範囲でお話させていただきます。

1.自己紹介

わたしは1953年(昭和28年)青森県西津軽生まれの54歳です。これまで経験した会社は「(株)東建ジオテック」オンリーで、そのほとんどが東京支店の勤務でした。40代後半になって初めて転勤(名古屋支店で3年間)を味わい、東京(埼玉)に戻って2年後の今年、2度目の転勤で仙台にやって来ました。いずれも単身赴任です。支店長経験は今回が初めてで、これまでは技術の仕事しかやってきませんでした。したがって、わたし自身が軌道にのるまでにはもう少し時間がかかるようです。

仙台市にながく住むのは今回が初めてとなりますが、30年以上まえから仙台とは切っても切れない関わりがあります。仕事では新入社員のころ(30年以上前で当時は仙台支店)と、2年ほど前の2度しか来ていませんが、仕事以外では何度も仙台を訪れています。というのは、わたしの女房が仙台市(錦町)出身であることと、わたしが青森県の木造という町(現在のつがる市)の出身であり、仙台には里帰りの中継地点として毎年立ち寄っていたからです。つまり、夏休みは里帰りのついでに「ねぶた祭り」と「七夕まつり」を楽しむことができたのです。

2.単身赴任

約5年前になりますが、初めての転勤が名古屋でした。49歳とういう年齢で若くもありませんし、子供も成長しており、女房も古く、新幹線で2時間あれば帰れる距離ですから、家族と離れるという寂しさありませんでした。ただし、食事を作ってくれる人がいなくなったことだけは厳然たる事実であります。これまで、お湯を入れるだけのインスタントラーメン程度のことは自分でやりましたが、米を炊いたこともありませんでした。女房に言わせれば「甘やかしすぎた」ということでした。これでは自炊は無理と考え最初は外食ばかりでした。しかし、ひとりで外食することの悲哀や惨めさを味わうことになりました。家族や恋人同士が楽しそうに食事しているなかで、ひとりで食事をすることに堪えられなくなったのです。野球もゆっくり見られませんでした。外食ばかりでは健康上もよくありません。そこで一念発起して自炊に挑戦しました。意外に簡単でした。スーパーに行けば「おかず」はあります。米さえ炊けばなんとかなりました。食器を洗うのが面倒なだけです。そして今年、仙台の地で3年間の経験を生かして自炊に励む今日この頃です.

3.杜の都仙台

仙台には夏も冬も何度もきていますが、いわゆる北国という印象はありません。もちろん、関東の人からみれば北国でしょうが、「地ふぶきツアー」で有名な津軽で18年間過ごした人間からみれば天国であります。夏はむしろ津軽より涼しく感じます。また冬は関東とそれほど違わないという印象です。たしか日本における住みやすさの上位にランキングされているはずです。「自然の恵」と「利便性」を享受できる街が理想です。仙台市も政令都市となりここ何年かでずいぶん都市化が進んでいますが、関東圏に比べればまだ自然と街並みの美しさが調和していると思います。これくらいで止めておけば、「杜の都仙台」の名を維持できるのではないでしょうか。

4.野球に関するひとり言

わたしは長男が生まれたときに「王」と名付けた(後で親族からは「冗談だと思っていた」と言われました)くらいの大の巨人ファンです。昔は東北の人はみんな巨人ファンでした。仙台にきてみて驚いたのはマスコミから市民までほとんどの人が楽天ファンになって盛り上がっていることです。球団の中身は近鉄の選手と他の球団をお払い箱になった選手で構成され、仙台とは縁もゆかりもないはずであります。球場が仙台というだけですぐにファンになれるものでしょうか?不思議であります(人の勝手ですが)。高校野球も似たようなところがあります。よそ者ばかりで地元の選手がほとんどいない状況にある学校も数多いわけですが、にもかかわらず地元の学校(宮城代表の仙台育英は地元の選手が多いようです)を応援します。何か割り切れないものがあります。

ファン心理とは不思議なものであります。わたしの場合は、野球に興味を示し始めたころから、テレビ・ラジオはほとんどが「巨人戦」の放送でした。そしてアナウンサーや解説者は巨人寄りのコメントに終始(今の楽天も同じである)していました。これではよほどの「へそ曲がり」でない限り巨人ファンになるのが必然でしょう。こうして巨人ファンになったわたしは、若かったこともあり「王貞治」や「江川卓」が好きで巨人にのめり込んでいきました。今少し冷めているのは年のせいでしょうか。しかし、昔の巨人とメンバーはすべて変わっているのに相変わらず巨人ファンであります。

わたしの持論ですが、プロ野球でおこなわれている「ドラフト制度」などという人身売買的な精度(わたしは勝手にそう思っている)はやめて、本人が好きなチームに入れるようにすべきと考えます。たとえば、楽天に東北高校出身のダルビッシュ(本人が希望するかどうかはわからない)がいれば、応援にもっと熱が入るのではないでしょうか?

話は変わりますが、仙台に来て落胆したことは、仙台ではテレビやラジオでわたしが大好きな「巨人戦」の中継がほとんどない(関東でも今年から少なくなっています)ことです。熱烈な中日ファンが多い名古屋(巨人ファンが半分くらいいるそうです)でさえ「巨人戦」は毎日のように放送していました。グチばかりが多くなりこれ以上グチると与えられた紙面がオーバーしそうなのでこのくらいにしておきます。今年の甲子園大会で東北に優勝旗が来ること(できれば仙台育英と青森山田の決勝戦で)と、10年後の「巨人」と「楽天」の日本シリーズを夢見て!

つまらない話にお付き合いいただきありがとうございました。

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