協会誌「大地」No47

応用地質(株) 福島支店 馬場 勝也

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34.福島県、ビギナーです

私事であるが、福島に赴任して早3ヶ月が経過した。前任地が隣の茨城県であったことと、新潟勤務時代に会津方面は何度となく仕事をした経験があり、福島県には親近感を持っていた。福島はご承知のように、南から北へつらなる阿武隈高地と奥羽山脈によって、浜通り、中通り、会津に分けられ、私のように初めて福島で暮らす者にとっては憶えやすい名称と区分ではないだろうか。

同僚、友人から聞く福島県のイメージは、豊かな自然、温泉、フルーツ(桃、さくらんぼ、梨、ぶどう、柿、りんご)、そして“広い”等々であった。特にフルーツの桃に関しては、大きな期待を込めてか、かなりしつこく伝えられたが、4月に桃の花が美しく咲いている情景は、そのスケールの大きさもあって感動した次第である。

北海道、岩手県についで3番目となる広大な面積については、日常の運転が軽く1時間を超える長距離運転から実感しているが、行く先々で温泉も随所に見かけ、観光客的な視点も重なって楽しみの方が多い。

客的な視点も重なって楽しみの方が多い。さて、東北地質調査業協会としての最初の活動として、7月に福島県の初級研修の講師を仰せつかった。3日間の研修で、土質の基礎〜実習〜整理、活用を行い、実習は土の基本的な性質に関わる物理試験を中心に材料試験までを実施した。

私自身も土質試験を数年経験したが、試験の実務はブランクがあり心配であった。今回、久々に熟練のテクニックが必要な物理試験を実施したが、体はその感覚をしっかり覚えており、無事指導することが出来た。土質試験は経験を重ねると、試料を観察することで粘性土の強度、含水比等は把握できることが可能で、フィールドで役に立つ機会も多く、その重要性を何とか伝えたいと感じた。

研修3日間でこれらを伝えることは難しいが、地質調査の目的と必要性、活用方法、調査に携わる技術者の精度と我々の役割まで伝えることに努力した。県職員の方々も非常に熱心に受講して頂き、我々の責任の大きさを再認識し、来期はさらなる工夫をして研修を進めたいと感じた次第である。

して研修を進めたいと感じた次第である。これから夏本番で桃が旬を迎える季節となり、その味覚を経験していない私にとっては非常に楽しみである。福島県はまだまだ、ビギナーな私であるが、桃と同じよう早く旬を迎え、協会を通じた技術者の相互協力で貢献できるように自分なりの特長を活かして活動していきたい。

桃の種類

○白鳳

白桃×橘早生として神奈川県で生育され、1933年に登場した人気種。日川白鳳:7月上旬から収穫される早生種。長沢白鳳:締まりのよいややかための果肉で甘みはたっぷり。

○白桃

本白桃とも言われ、明治時代から岡山で生産される日本の桃の元祖。

○川中島白鳳

長野市の川中島で偶然誕生した品種。日持ちが良い。

○黄金桃

果皮、果肉ともに黄色い桃。川中島白鳳から誕生した品種。

○ゆうぞら

白桃とあかつきを交配した品種。

○ネクタリン

桃の変種で、表面にうぶ毛がなくツルツルしているのが特徴。

○あかつき

糖度が高く果肉は緻密で溶質ながら歯ごたえのある桃。現在白鳳に続いて出荷されている。

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