協会誌「大地」No46

明治コンサルタント(株) 畠山 富昌

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19.みちのくだより秋田

『娘とのふれあい』

はじめに

自己紹介を致します。私は建設コンサルタントに勤め、秋田で調査関係の仕事に従事し10年になります。仕事内容は、地すべり調査や基礎調査が主体で、最近では、東北管内におけるガソリンスタンドや工場における環境汚染調査も行っております。家族は、妻と、もう時期2歳になる娘が一人おります。

今回の投稿では、日常において、なかなか接する時間がとれない娘とのふれあいについて、書きたいと思います(「みちのくだより」の題目から脱線した私的な内容寄りとなり申し訳ありません)。

子どもとのふれあいの実情

世の中が公共工事縮小方向で、かつ競争が激しいため、建設関連業界に勤めている人にとっては、個人の生活状況が改善しにくい状況にあるかと思います。私は普段でも帰宅時間が22時以降のことが多く、1月〜3月にかけては、最後の追込みとなるため、残業が多くなり、さらに遅くなるのは例年のことです。出張も集中するときが時々あります。

このような労働環境ですので、娘と接する時間は、平日はほとんどなく、土、日になんとか顔を合わすことができるような状況です。平日は、床に入るときに娘の寝顔をみて、朝は、最近では娘の方が起きるのが早く、起こされるため、寝ぼけた父親とのご対面。。。。。ということで、娘のことは、妻から教えてもらっています。

娘は、言葉をどんどん吸収しはじめており、大人が言う簡単な言葉は分かる程度になりました。私のことを「オトウサン」と呼びますが、なぜか妻のことは「アチカン?」というように聞こえます。また、最近は自我もでてきて、ちょっとした反抗を言葉と態度で示してきます。「オムツを取り替えるからこっちへおいで」といっても、娘は「イヤッ!」と。休みの日に新聞を広げて読んでいると、「オシマイッ!」といって、新聞を閉じてしまうのです。本人は一緒に遊んで、ということなのでしょう。妻も、「遊んであげないからよ」と横目で訴えています。私自身、平日は接する機会が少ないので、休みの日には、相手をしようと思うのですが、自分の時間にしたいと思ったり、疲れて休みたい気持ちもあって(結局はめんどくさがりやですね)、きちんと、娘と向き合わないこともときどきあります。

妻は、専業主婦をしており、毎日、娘の育児と家事に追われています。幸いにも、育児ノイローゼというものを、ほとんど感じたことはないというのです。朝から晩まで一日中、365日、娘と接している妻は、さすがに私の知らない娘のことをよ〜く、知っています。今日はウンチが何色だったとか、何回したとか、こんなことができるようになったよ、とか、妻は娘のことを何でも知っています。私はといえば、最近は、お馬さん役でなんとか面子を保っていますが。初めのころは、どのように娘と接したらよいのか分かりませんでしたが、妻から「普通に接すればいいよ」、といわれ、ようやく、その意味が分かってきました。また、お父さんは、お母さんと同じようには出来ないので、男性と女性のそれぞれのもつ役割で接していけばよいということも分かってきました。この間は、はじめて子ども育児教育の講習会に、家族で出席してきました。男性の方の出席は少なかったのですが、育児知識の乏しい私としては、よい経験ができました。

世間の子育て、労働条件

ところで、こんな私の親父ぶりなのですが、同じ業界に勤めているお父さん方は、どのようにお子さんと接しているのでしょうか。

少子高齢化、女性の社会進出に伴い、いまや社会的には男性の方が育児(育児休業)をしてもよい時代となっております。しかしながら、大半が実行できていない、できないのが現状です。私自身は、たまに専業主婦は働かなくていいなぁ(もちろん、こんなことを言うと、妻にお叱りを受けますが)、と思うときがありますが、育児休業したいとは、それほど思いません。ただし、共働きの家庭にとっては、利用する価値がある制度であると思います。

また、労働条件に関して、ホワイトカラーエグゼンプションという、労働時間規制の適用を免除するという制度ができようとしています。要は究極の成果主義ということで、労働時間に関係なく成果のみで、評価されるものです。今行われているサービス残業が公に認められるとうことです。この制度を導入すれば、今以上に残業が助長され、結果的には子どもとふれあう時間が、少なくなるのではないでしょうか。

今後の子どもとのふれあい

昔から子どもは親の背中を見て育つ、といいます。子どもは本当に親の素振りを見ています。そして真似をします。重要なことは、「子どもだから」と適当に接しないで、一人の人間として、きちんとコミュニケーションをとっていくことが必要ではないかと思います。

まだまだ遠い将来のことですが、20年後、娘からお酌してもらうことを夢見て、日々、いろいろと奮闘しながら娘とふれあっていきたいと思います。

最後に私が感銘を受けました「子育てハッピーアドバイス(明橋大二著)」という本の一節を、働いているお父さん方へ紹介します。一つに母親に対するサポートが必要である、と書いております。毎日がんばって子育てをしている妻に感謝したいと思います。

以上

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