調査技術部 高橋 信一

48.第8回 おらほの会社 日鉄鉱コンサルタント(株)東北支店の巻


 おらほの会社「日鉄鉱コンサルタント(株)」を紹介いたします。

 当社は総合資源会社である「日鉄鉱業(株)」から資源関連の調査・開発ならびに建設関連の調査・設計を行う資源および建設コンサルタントとして独立、出発致しました。以下、沿革を説明します。

[沿革]
●昭和38年1月8日 「日鉄鉱山コンサルタント(株)」創立

 親会社の日鉄鉱業は昭和14年の創立以来、国内外の鉄鉱石を中心とする製鐵原料の調査・開発に取り組んできました。特に戦後においては、例えば香港馬鞍鉱山の調査・開発計画、またインド・キリブル鉱山の鉱床調査、開発計画など、総合コンサルタントとしての業務も各方面の要請で数多く行うことになり、業績も内外で評価されるようになりました。

 その後、昭和30年代に入り、折からの貿易自由化に対応して、鉱業界においても一連の合理化気運が盛り上がってきましたが、他方、東南アジアや中東、中近東諸国に対する我が国としての発展途上国援助や海外経済協力などの気運も活発化し、欧米先進国に比べてかなり低調であったコンサルタント業界にも、漸く脚光の兆しが見えはじめました。

 このような中で積極的にこの業界に乗り出すためには、従来のままの企業形態では事業の機密保持や中立性の維持の点で適当ではないとの判断のもと、新たに別会社を設立し、それに専従することとなり、昭和38年に日鉄鉱業(株)の全額出資により、日鉄鉱山コンサルタント(株)が設立されることになりました。

●昭和47年12月 「日鉄鉱コンサルタント(株)」に社名変更

 コンサルタント設立当初は海外主導型、資源主導型でした。しかし、海外業務は受注面で不安定要素を多く含んでいるため、国内資源業務(地熱エネルギーの調査、開発)、非資源型業務の拡大が不可欠と判断し、非資源型としての土木関係の地盤調査、測量設計など建設コンサルタント業務に重点を置いて営業活動を展開することになり、昭和43 年に福岡、飯塚に営業所を開設しました。その後、漸次、各所に営業所を設立し、昭和47年には現社名に変更し、現在に至っています。

●昭和49年「東北支店の前身」開設

 本社管轄の営業所として盛岡市および釜石市の日鉄鉱業(株)施設内に事務所が開設されました。当初は建設コンサルタント関連の業務はわずかで、金属・非金属資源の探査を目的とした業務や港湾設備構築用の捨石採掘場の調査・設計等、親会社の得意とする分野での業務が主体でした。

 昭和54年には盛岡、釜石の両営業所に下北営業所(日鉄鉱業(株)尻屋鉱業所敷地内に開設)を加えた3 営業所を統括する東北支店を設立し、事務所を盛岡に置きました。

 おらほの会社シリーズおらほの会社シリーズ支店開設後も盛岡、釜石では主力業務である資源コンサルタントに加えて旧松尾鉱山の鉱害防止対策工事の調査設計、釜石鉱山周辺での石灰石探鉱ボーリング等、地下資源に結び付いた業務が高い比率を占めていました。しかし、昭和58年頃からそれまで営業を強力に展開していた公共土木関係の建設コンサルタント業務の受注が徐々に伸びはじめ、さらなる営業の強化と技術陣の拡充により現在ではほとんどを建設コンサルタント関連業務が占めるまでに変貌しました。

 以上のように当社は金属、非金属、エネルギーなどの資源探査コンサルタントを発祥としています。特に資源探査の基本となる地質解析や物理探査の分野においては、長年にわたって技術を培い、常に先端技術の開発を進めてきました。

 物理探査技術では、石油・地熱・金属資源調査を実施しており、中でも電磁探査MT/AMT法は、国内各機関の研究部門より石油・地熱調査を多数受注した実績を有し、測定機器開発から地下構造評価まで高い評価を得ております。また、電気探査では、国内は元より南米・中東・南太平洋などの諸外国において鉱物資源探査を実施し、鉱床発見に大きな役割を果たしております。最近では、地下レーダー技術を用いた埋設物探査や鉱山残壁評価技術分野において継続的技術開発を行い、成果を挙げております。

 物理探査技術は、コンピュータの進歩に伴い急速に発展を遂げている分野であります。そのため、日々の努力により時代の最先端技術を絶えず模索し続けています。また、建設コンサルタント分野との融合を図るため、土木系の調査にも応用するべく取り組んでいます。

 環境分野では資源調査から開発、操業、鉱山閉山後の公鉱害対策技術までの技術を活かし、また日鉄鉱業、アタカ工業、氣工社などが主体となって連携している土壌汚染調査・浄化事業の企業連合体と協力して、一貫した土壌・地下水汚染調査・対策業務を提供しております。

 以上、長々と当社の沿革や技術内容の一端を述べさせて頂きました。我々東北支店は建設コンサルタントに営業の主眼を置いていますが、資源分野で培ってきた全社的共有資産であるこれらの諸技術をバックボーンに、本社および各所支店 と連携して業務量の維持拡大と顧客の信頼を獲得するべく、日々努力を重ねております。


おらほの会社:閑静な住宅街にありますが、近年、都市計画道路の建設が進み交通量が多くなりました。

次は、秋田県の「(株)明間ボーリング」さんを 紹介いたします。
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