基礎地盤コンサルタンツ(株)

佐藤 道子

23.女性からのひとこと 女性からのひとこと 映画と私


  最近は、めったに「趣味はなんですか」なんて聞かれることがなくなったのですが、そう思うのは私だけでしょうか。若かりし頃は、特に何かに夢中になっていたものもなく、色々なところで聞かれるといつも悩んでいました。無難なところで「読書」とか「音楽鑑賞」、「映画鑑賞」なんて答える人がいましたが、「本当に?」といつも思っていました。私自身がそうだったから。(かなりの偏見です。本物の方はごめんなさい。)それでも思い返してみると、映画鑑賞は好きなほうでした。そして、映画と私のかかわりを振りかえってみると色々な出来事が思い出されます。

 私は、山形県の北の方の小さい町でうまれ育ちました。町は、7月から8月にかけあちらこちらの地域で米の豊作を願う八幡神社の夏祭りがありました。(今も健在です。)その頃は、そのお祭りが1年の中で一番の楽しみでした。その日は、親からいつもよりちょっぴり多目のお小遣いをもらい、友達と出店に行ったりして暗くなるまで遊んでいました。そして、夜になると八幡神社の境内が映画館となり青年団の人達が用意してくれた2本立ての映画を夜遅くまで観ていました。毎年必ずやっていたのは、高倉健主演の『網走番外地』シリーズ、その後は菅原文太主演の『トラック野郎』シリーズ。どちらかといえば、任侠もの(やくざ映画)ばかりで、町中のほとんどの人が観にきていました。しかも、教育上良くないなんて人もいませんでした。こんなビックイベントはそうそうなかったのですから。夕方になると、各家の人がゴザをもって来て場所取りをし、おやつと団扇をもって観にきていました。(私が中学生になった頃には、加山雄三の『若大将』シリーズになりましたけど。)私は、今でも高倉健の出演する映画はあまり観ません。どうもあのやくざな高倉健が頭から離れなくて・・・。

 高校生になって初めて映画館で映画を観ました。その初めての映画は、友達と一緒に観る約束をしていたのですが、はぐれてしまい結局一人で観ました。その頃の私は、映画館は一人で入るものではないと思い込んでいたので、一人はとても心細く不安でした。その時観たのはオリヴィア・ハッセーの『ロミオとジュリエット』とライアン・オニールの『ある愛の詩』でした。(昔は2 本立てが普通だったような?)字幕付の映画に感動し、心細いと思いながらも主人公のあまりにもかわいそうな運命に涙を流してしまいました。それからは、外国の映画に、はまってしまい友達と一緒によく観るようになりました。

大学生になり、仙台に来てからは映画館もたくさんあり、まわりの友達も映画好き人が多く、暇さえあれば映画を観に行きました。今はもうなくなってしまった名画座や東北劇場など。青葉劇場には、『生きる』(黒沢明監督)を観にいきました。志村喬主演の作品で53歳の主人公はかなり老いぼれといった感じだったのですが、若かった私もこれからの人生どう生きようかとちょっと考えさせられた作品でした。青葉劇場でもう一つ忘れられない思い出があります。初めてホラー映画『オーメン』を観に行った時のこと。怖い映画は嫌いなのですが、あの頃結構話題の映画で、ものめずらしさに行きました。夏の暑い日で、白いブラウスを着ていたのですが、館内はクーラーが効いていて寒く、熱いコーヒーを飲みながら観ていたら、いきなりガラスの板で人間の首がチョン斬られてしまうシーンがあり、それにビックリしてコーヒーを全部こぼしてしまいました。胸のあたりにこぼしたので、やけどはするし、ブラウスは汚れてしまうし、散々な思いをしました。映画どころではなく、ストーリーはほとんどわかりませんでした。それ以来、一度も怖い(ホラー)映画は観ていません。

 結婚して子供が生まれると、映画もなかなか観にいけなくなりました。それでも映画が観たくて長男が3 、4歳の頃に、動物が主人公の映画を観にいきました。たしか『子ねこ物語』だったかな。結局、子供が飽きてしまい最後まで観る事は出来ませんでした。それからはしばらくお休み・・・。レンタルビデオで我慢しました。

 子供達が、小学生になった頃から『ドラえもん』をよく観にいきました。『ドラえもん』はものすごい人気で、なかなか席がとれなくて親子バラバラに座ったり、ゆっくり観ようと夕方行くと館内は、景品の袋、弁当の器やお菓子のカス等のゴミがいっぱいで、とにかく大変疲れる映画でした。でも、子供達はそれなりに楽しかったようです。実は、私も『ドラえもん』の大ファンでした。勿論、今でも。怪獣ものの映画は、基本的には好きではないのですが、子供達が男の子ということもあり、『ゴジラ』の映画も観ました。タイトルを忘れてしまったものもたくさんありますが、なかでも印象に残っているには『ゴジラ対デストロイア』です。最後の方でゴジラが煙の中に消えていった時、死んだの?と、思わず涙してしまいました。それからは、やっぱり『ゴジラ』も気になっています。

 寄 稿寄 稿
そして今は、10年位前に郊外型の映画館が家の近くにできたので、好きな時に好きな映画を観ることが出来るようになりました。なかなか一人では観にいけずにいたのですが、知り合いの人に一人で観に行っているという話を聞き、勇気を出して映画館に行ってからは、好きな時に好きな映画を一人で観ることが出来るようになりました。一人で見るのもいいものです。でも最近では、『夫婦50割引』を使って主人と毎週のように映画を楽しんでします。今は、映画にまつわるエピソードはありませんが、これからも話題の映画、好きな役者さんが出演している映画等など、広く浅く映画を楽しんでいこうと思います。そのためにも、いつまでも健康で元気でいなければいけないなと思います。
イラスト
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