東北地質調査業協会 企画・実行委員長

橋本 良忠
03.ご技術e- フォーラム2005 仙台の総括

 新平成17年9月8日〜9日、「技術e- フォーラム2005 仙台」が仙台国際ホテルで開催され、盛会の内に無事に終了しましたことは未だ皆様の記憶に新しいことと思います。今回のメインテーマは「災害に備える!!地質調査業の役割」で全国から地質調査業に係る500名以上の技術者と、当日参加の一般市民を含めた総勢540名の参加者数になりました。参加されました各地区協会の理事及び関係者の皆様から内容的に高い評価を頂きました。更に、アンケート結果からもあらゆるイベントで「満足」との評価を得ましたことは東北協会の日頃の委員会活動で培われたパワーが存分に発揮されたものとホッとしております。と同時に、全国各地の技術者との交流を通して、技術者の活性化が図られ、地質調査業の地位向上を目指す東北協会にとりましても大変有意義であったことと思っています。一緒に汗し、努力して頂いた企画・実行委員長の皆様、スタッフの方々に改めて深甚の謝意を表する次第です。

 「2005年の技術e- フォーラムを何とか仙台で開催できないか・・・」との全地連の意向が平成15年9月25日〜26日の「技術e- フォーラム2003さいたま」終了後、奥山理事長より示されたのが最初と記憶しております。この年は、東北協会にとりましても急激な市場環境の変化により、会費の見直しや組織の改編などの対応に迫られ、それどころではなかったのが現状でした。まして、全地連行事の中でも最大のイベントであり、果たして大丈夫だろうかという危惧もありましたが、幸いにも理事の皆さんの積極的な賛同が得られたことと、委員会活動が活発に機能し、その上、平成8 年ホテルメトロポリタン仙台で開催された「第6 回技術フォーラム'96仙台」の実行委員のメンバーが現在も委員会活動で頑張っており十分なパワーがあることから、仙台開催の意思を全地連に伝達しました。副理事長の立場から、初期の準備の世話を引き受けることとなり、平成16年5月19日の東北協会定期総会で組織運営及び企画委員会を立ち上げることの承認を得て、平成16年5月25日の全地連役員会において仙台開催が正式に決定されました。

 企画委員会は後に実行委員会へ移行することを前提として、副理事長の橋本・土生田、理事兼総務委員長の成田(途中、転勤により土生田と交代)、技術委員長の五十嵐、広報委員長の佐々木(途中、転勤により金井と交代)、情報化委員長の岡田の6名で担当し、6月10日の企画委員会において、次のような実行委員会に切り替えました。

実行委員会委員長 橋本良忠(副理事長)
実行委員会副委員長 土生田政之(副理事長)
総務財務部会 総務委員会 (総務・財務・受付担当)
技術発表部会 技術委員会 (一般発表・フォーラムシアター担当)
行事部会 広報委員会 (特別講演・懇親会担当)
展示部会 情報化委員会 (特別展示・企業展示担当)

の4 部会で組織し、委員には協会委員会の技術者、各県の会員各社の技術者から総勢72名にお願いしました。

 技術eフォーラムは従来から若手の技術発表会・交流会の場となっており、過去14回のフォーラムでの経験から、既に全地連による大筋のコンセプトは固まっていましたが、これに東北協会独自の企画を加え、有意義な大会となるよう企画委員会で何度も議論を重ねました。特に、大会初日の特別講演及びシンポジウムのテーマ設定は、専門性、地域性、話題性を考慮し、慎重に論議が交わされました。その結果、2004福岡のフォーラム終了後、平成16年10月来襲の台風21、22、23号や新潟県中越地震、平成17年3月の福岡県西方沖地震により、立て続けに発生した大規模土砂災害による話題性と、最も高い確率で発生が予測されている宮城県沖地震に備えた防災教育と地域活動のあり方等の地域性、我々の最も得意とする専門性を考慮して、メインテーマ「災害に備える!!地質調査業の役割」を取り上げました。講師はテレビ、ラジオ等の災害解説でおなじみの前NHK 解説委員の伊藤和明氏にお願いし、「必ず来る大地震」と一寸センセーショナルな演題が決定されました。また、引き続き行われたシンポジウムは、当協会と宮城県沖地震対策研究協議会共催で“地震・津波に備えて−防災教育と地域活動−”をテーマにしたパネルディスカッションとし、パネリストには「地震活動」で東北大学源栄正人教授、「津波活動」で東北大学越村俊一助教授、「地域活動」として、地域で活躍されている池田春哉氏(パークタウン茅ヶ崎・自主防災組織)にそれぞれ基調講演をお願いしました。両者共に話題性に富んだ講演とあって、一般の方の聴講もあり、ほぼ満席の状態で好評を得ました。

 技術発表会と並行して行われた、一般の方々も入場可能なフォーラムシアターでは、全地連専務理事矢島壮一氏の「地質調査業協会50年の歩み」と、現在取り組み中の情報化技術についての全地連活動報告があり、地質調査業の社会的に果たす役割についての理解が深められました。また、特別企画として発注者サイドから「公共工事を取り巻く最近の動向」と、「建設コンサルタントから見た地質調査業のあり方」の講演があり、今年の
4月に施行された、いわゆる品確法以後の公共事業調達の方法にどう対処すべきか、示唆に富んだ新鮮なお話を頂き、大いに参考となりました。

 展示会は、後援を頂いた国土交通省東北地方整備局と防災士研修センター、東北協会共に地震災害に関するパネル展示で占められましたが、特に東北協会の防災グッズの紹介(各県理事のアンケート結果に基づき、仙台市消防局に依頼)が話題となりました。

 一日目最後のイベント「技術者交流懇親会」は、参加者全員がある期待を持って楽しみにしてる場であり、東北を全国に紹介するにまたとない機会でありました。そこで、各県理事が持ち寄った自慢の地酒コーナーを会場内に特設し、アトラクションは総勢28名による津軽三味線の演奏と強烈なリズムダンス、フラメンコとの競演を実現させ、参加者全員から万雷の拍手を得ました。

 二日目は、フォーラム開催中でありましたが、次回の開催地中部地質調査業協会の実行委員会の皆様との合同会議が全地連同席の下に行われ、開催までのプロセスや苦労話など、開催に当たっての具体的な質問にお答えするなど「技術e-フォーラム2006なごや」の成功を全員で祈念しました。

  フォーラム当日、全体のスタッフミーティングの初顔合わせから始まった会場運営もスムーズに行われ、改めて各部会長はじめ、委員の皆様の実行力に感じ入っております。

 最後になりますが、あっという間の二日間でありましたが、スタッフの皆様のご協力の下に無事終了し、アンケート結果は参加者の大半から「非常に満足」〜「満足」との高い評価を頂きました。今後の東北協会の運営に貴重な経験と大きな力が得られたものと確信しております。また、恒例の委員会活動に属していないスタッフの一部から「協会会員が一同に介せる機会がたまにあってもいいよね!」とのつぶやきを重く受け止め、総括報告とさせていただきます。

 いろいろとご教示頂いた全地連並びに九州協会の関係者の皆様、東北協会会員各社の皆様に感謝申し上げます。
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