61.カレイ釣り考

(株)東北地質 石川澄子

  「目に青葉 山ほととぎす はつ松魚(がつを)」という江戸時代の初夏の風物歌がありますが、近年鰹は庶民の味にはほど遠い値段になってしまいました。と言うのも日本の南から来る黒潮が蛇行して、回遊している鰹の群れが日本から離れていっているようです。

 しかしながら、仙台湾沖には一年を通してカレイが釣れる「大型魚礁」があります。仙台の山々が青葉萌ゆる頃、そのカレイは身が厚くなりほっこりと大変おいしくなります。昔は「青葉ガレイ」と言われ珍重されたものでした。

 この時期、県内ではマコガレイ釣りが本番を迎えます。釣り方はいろいろありますが、志津川湾の和船を仕立てて竿は両手に持ち、交互に小突きながら当たりを待つ。このスタイルがいいですね。調子良く両手を使えるようになればしめたもの。湾内の餌を食べて大きくなったマコガレイが釣れるのです。カレイ釣りの醍醐味は、当たりをあわせてググッと重みを感じた時ではないでしょうか。時には違う魚だったりしますが・・・

 釣りで目的外に釣れる魚を外道と言いますが「青葉ガレイ」の外道のひとつにメゴチがあります。体長は15〜20cm位ですが、皮に強い粘性と背びれに鋭い棘があり、針から外すのが大変苦労します。数を競う釣り大会では邪魔者扱いされますが、食べるとうまい。特に天ぷらが最高です。干物にしてもうまい。メゴチの身は弾力性のある白身です。

 今度メゴチが釣れたら、さばいて食べてみてはいかがでしょうか。

魚たちに合掌







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