(株)田地研   黒田 亜矢子

18.私の趣味

 私がフラワーデザインの教室に通い始めてからすでに9 年になります。

  もともと花が好きだったので、庭にチューリップを植えたり、花屋を覗いたり、雑誌を眺めたり・・・・そしていつか私もこんな風に花をアレンジできたらと思っていました。ところが近くに教室があることを聞き、それから即見学に行き、その日から毎月月2 回、楽しく通っています。

最初はフラワーデザインとは洋風の花で、玄関や食卓に飾るものだと思っていましたが、教室に通うようになり欧米のフラワーアレンジメントを基本に日本の伝統的生け花を融合させたデザインということを学びました。1 月は正月飾り、3月は雛祭り、6 月はウエディングブーケ、12 月にはクリスマスと 花材もデザインも様々で、バラやゆりだけでなく松・竹・梅・柳等の身近な和の素材も使い、その季節を楽しんでいます。車に乗っていても樹木や草花、木の実やつるまでも花材になるので気になるようになりました。それから作品の大きさも様々で、ロビーに飾るような大きなものや、20 センチ四方の空間にアレンジや庭(自然)を作るプチデザインと、装飾的なものから自然のままを表現したデザイン等、種類豊富で奥が深いと感じています。

  それから、年1 回位特別レッスンがあります。カメラの講習で花のきれいな撮り方を勉強したり、絵を書いたり、色の組合せの勉強をしたり、器を作ったりもします。

  生産地の見学等もあり、特に心に残ったのは寒河江のバラ園でした。私の住んでいるところは寒河江市なので、寒河江のバラが全国的に有名なのは聞いていましたが、かなりの大きな設備で温度・湿度管理を徹底し、1 本1 本愛情こめて手をかけて育てているんだなと感心しました。種類や色が豊富なのにもびっくりしましたが、さらに品種改良を重ね新しいバラをつくっていました。

  そして昨年は、結婚式・ウエディングショー・国民文化祭と発表の機会がたくさんありました。私にとって眺めたりするだけの趣味だった花が、みんなに見てもらえるということで、作品ができるまでは、楽しみと悩みと緊張の日々でした。先生や教室の友達に相談にのってもらいながら、デザイン・花材を選び、前日の夜に作品をつくり会場に運びます。やはり生花なのでできるだけ時間ぎりぎりにきれいな状態でということで、夜中までかかることもありますが、当日自分の作品が展示されているのを見ると喜びと安心で疲れや緊張もとんでしまいます。

それから、今まで教室や家で作ったものは写真を撮っています。生花は残せないのでせめて写真にでも・・・と思いずっと続けているのですが、これがなかなか思うようにできずがっかりすることがあります。

写真の勉強もしようかな? などと考えながらも、初めて作ったリースやブーケの写真をみて色々思い出したり、今度何を作ろうかと以前つくったアレンジを眺めたり・・・ボケ写真混じりのアルバムをみるのも楽しみのひとつです。

今思うと、思い切って初めてよかったです。花好きから始まった趣味でしたが、器つくりなどいろいろ世界も広がり、同じ趣味をもつ新しい友達もでき、今では生活の一部分としてなくてはならない大切な時間です。先生や友達に感謝しつつ、これからも季節感を大切にし、ひとつひとつの花や葉・茎の動きをいかして、花を飾って楽しんでいきたいと思います。
   
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