51.「CALS/EC (電子入札)講習会」報告 情報化委員会

情報化委員会では、昨年実施した「CALS/EC 座談会」に引き続き、平成15年7 月11 日(金)に「ハーネル仙台」(仙台市青葉区)において「CALS/EC (電子入札)講習会」を開催いたしました。同講習会は、会員各社の電子入札実務担当者に参加していただき、電子入札に関する理解を深めるとともに実務に供するための支援を目的に実施したものです。講習会では、日本電子認証(株)の大堀、安保両氏を講師として「電子入札と電子認証」の概要説明とCALS/EC の動向について解りやすく説明していただくとともに、質疑応答を通して運用上の問題点等についての情報交換を行いました。参加者は、情報化委員会のメンバーを除いて23 名でしたが、熱心な聴講と討議に「電子入札の緊急性」を痛感いたしました。参加いただきました会員の皆様方には、長時間にわたる聴講と進行にご協力いただきましたことを感謝致します。なお、講習会に先立ちまして実施いたしました電子入札に関するアンケート結果、講習会の質疑応答内容および国交省以外の主な発注機関の電子入札に関する動向について、以下に示します。

【電子入札に関するアンケート結果】

1、電子入札をしましたか?

2、電子入札において問題はありましたか

1:なし
2:5件未満
3:5〜10件
4:11件以上
1:問題なく入札できた
2:問題があって入札が出来なかった
   発注者のサーバが開かなかったため
   紙入札変更した
3:問題があったが解決し入札できた
   アクセスが遅い

3、電子入札でどんな点に苦労しましたか?
1:電子入札システムの設定
2:接続確認テスト
3:利用者登録
4:電子入札および再入札
5:その他
   入札時間、開札時間で
   制約されるので、行動予定
   スケジュールを組むのに苦労した

熱心な聴講と討議状況


【質疑応答時の主な内容】
質疑 応答
・案件が集中し、開札が延期されたケースがあった。今後も起こり得るのか? ・委託されているe-BISCセンターの処理能力の問題であり、今後のことは不明である。現状では開札延期に伴うリスクは各社で負うことになる。
・バックアップ用のパソコンは他業務との兼用パソコンでも良いか? ・他のアプリケーションとの相性が不明であるので専用機にする事が望ましい。
・ICカードの紛失・破損等の場合、再発行までの期間とその間の対応は? ・最優先で対応するが、1週間程度は要する。その間の対応は発注者に相談するしかない。
・PINコードの入力ミスを5回繰り返せばカードが失効するが対応策は無いのか? ・セキュリティの問題もあるが、ミスした個所を表示できるよう改良を検討中である。また、失効前にPIN変更画面でコードを変更すれば累積ミスはキャンセルされる。(変更は新旧同コードでも良い)なお、全角、入力コードの間違い等があるため、入力の際にメモ帳等に記載して確認すると良い。
・再入札の場合、開札後30分〜45分程度は拘束されるが仕方ないのか? ・現状ではやむを得ない。開札時間がくればでくるだけすぐに対応せざる得ない。
・入札書の受領書が2回くる場合があるがその意味は? ・1回目の発注者のサーバーに入った時、2回目はそれを担当者が開札した時の通知である。入札に参加した証拠となるのでアウトプットして保管しておく方が良い。
・このシステムがWIN98でも作動するのか? ・作動することになっているWIN98のバグに対するサポートはそのうちに無くなるのでリスクを負うことになる。
・e-BISCセンターの受付け時間は現在の17:00から延長してもらえないのか? ・現状では17:00となっておりやむを得ない。今後、要望・苦情を各社あるいは業界団体として発信してはどうか。
・電子認証会社が8社程度あるようですが、違いはあるか? ・すべて国交省のもので、インストール後の電子認証手続きは全て同じとなる。

【国交省以外の主な発注機関の電子入札に関する動向】
発注期間 現状と今後の予定
東北農政局 ・H15.5.9から登録手続きを開始 ・H15.7.7から試行的運用を開始
・詳細はホームページ「東北農政局における電子入札の導入について」に掲示
日本郵政公社 ・H15.10から導入予定 ・東北地区説明会をH15.9.11に予定
・詳細はホームページに掲示(窓口:東北支社ネットワーク部管理課管理係)
宮城県 ・H15、16年度;工事、設計業務で準備中 ・H17年度;一部運用
・H19年度;全面運用(コアシステムを利用)
福島県 ・H19年度を本格的な導入目標年度としている。
・電子入札システムや電子納品システムなどの設計・開発、さらにシステムの評価検証やシステムについての習熟度を高める電子入札や電子納品の施行、一部運用などを段階的に進めている。
山形県 ・H15年度;工事、設計で準備中。一部運用
・H17年度後半;全面運用(コアシステムを利用)
岩手県 ・県と(財】岩手県土木技術振興会が連携で実施している
・H17年1月;一部実施 ・H19年度;全面運用
秋田県 ・H15、16年度;システムの構築 ・H17、18年度;段階的施行で一部運用
・H19年度;全面運用
※北三県で同じもの(コアシステム)を使うよう検討したい。
※コアシステムについてどこが安値で経済的かの検討結果が今年(7月)末に出される予定。
青森県 ・検討中(今後未定)
仙台市 ・H16年度試行導入、一部運用。その先は適宜整備。
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