基礎地盤コンサルタンツ(株)

岡田 進

39.情報化委員長就任にあたって

 先般、開催されました平成15 年度定期総会におきまして、当協会の情報化委員長を仰せつかりました。
奥山理事長をはじめとする新役員のもと、一所懸命協会活動を推進させていただきますので、皆様方のご協力とご指導、ご支援を賜りたくよろしくお願い申し上げます。

 私の出生地は、「金毘羅とうどん」で有名な香川県の東部地域に位置するさぬき市です。名古屋大大学院土木工学専攻修了後、基礎地盤コンサルタンツ(株)に入社して26年間、東京、名古屋の大都市圏を生活の場としてまいりました。この度の辞令によりまして今年度より東北支社に赴任いたし、名古屋を経て3 年目の単身生活を迎えることになりました。

 東北地方は私にとって未知の地ではありますが、仙台に住み東北各地を訪れ東北の自然、人、物に触れる度に、人と自然が調和した素晴らしい地域環境にあることを実感いたしております。

 さて、私ども地質調査業務に携わるものとして、地球はかけがえのない「母なる大地」であるとともに生産の場であり、大切に扱わなければならない大事な宝であると言えます。そこで宇宙的見地から、「地球」の不思議と生命維持のための責任について考えてみました。

 人類は、幾千年もの間、星の輝く空に驚異を感じ、その無限に続く広大な宇宙に夢を託してきました。宇宙空間の闇を背景に、宝石のごとく輝く無数の星たちに心を奪われていると、いつしか世の中の些細なことへのこだわりや日常生活の煩いが消えうせ、利己主義や私利私欲のために他人を犠牲にする人間の愚かさを強く感じてきます。

 太陽の周りに浮かぶもっとも麗しい物体「地球」?自ら青い泡のような大気を擁し、自ら酸素を作り出してそれを呼吸し、自らの窒素を空気中から自らの土壌中に固定し自らの気象変化を生じさせている?その実態を理解しようとすればするほど「謎」の多い惑星であるように思えてなりません。

 宇宙飛行士の毛利衛氏は、宇宙から地球を眺めてみて、生命が存在できるのは地球しかなく、自分達にとって帰ることのできる唯一の場所であるという感想を述べています。

 太陽からの適切な距離、受けるエネルギーの必要量、地球の大きさと重力、自転のスピード、地球の軌道、太陽系の他の惑星の存在等に加えて、大気の存在と気体の構成比、水の存在と循環機能、必要な化学物質を含む土壌の存在等?これらはすべて生命を支えるための特異な証拠といえるのではないでしょうか。これらのバランスが少しでも崩れると生命維持は危ぶまれることになります。地球の設計者は、私達人類のために地球という“豊かでよく整った住まい”を造られ、永遠に続く安住の地「まほろば」としてその維持管理を人類に任せるという意図が強く働いているようにも思えてきます。

 このように微妙かつ精密な地球の自然は、今人類の手で破壊されようとしています。世界的にみられる異常気象はただの偶然ではないのです。毛利氏は、地球環境が変化しつつある現在、人類が生き残るためにはさらにレベルの高い「生命」の危機管理が重要になってくると述べています。人類は、宗教や民族の違いによる争い事に時間を浪費している場合ではないのです。今こそ、全人類がひとつになり「宇宙船地球号」だりよに同乗した運命共同体であることを強く意識し、鋭い洞察力と純粋な探究心、邪悪な世の強い圧力に屈することのない真直ぐな強い意志、そして生命全体を考える優しさをもって私達は力を合わせて地球を守って行くことが大切なのです。ジオドクターとしての「地質調査隊」の責任は、実に大きいものがあるようです。

 さて、平成の黒船襲来以降、日本経済や社会の動向は激変しており、これに伴ってIT 技術の有効利用と展開が叫ばれてきました。今日、電子入札・電子納品の導入や新しい設計委託方法も実施されてきており、ますます情報の高度活用に必要な情報技術の向上が求められています。

 このような背景のもと、情報委員会は、会員各社へのIT 関連技術に関する最新情報の提供と運用の支援を目的に昨年4 月に新設されました。そして委員会として、

1、協会ホームページの維持管理
2、CALS/EC の推進、普及
3、講習会等に関する情報の提供をコアにした活動を続けてまいりました。

今後は、皆様方からのご意見、ご要望を取り入れた形で委員会活動を展開してまいりますので、引き続きご支援、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
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